Shopify、「Shopify Winter ‘24 Edition」発表 「Shopify」基盤を強化する100種類超をアップデート

Shopify(ショッピファイ)の日本法人Shopify Japanは2月1日、Shopifyが「Shopify Winter 24 Eiditon」を発表し、新たに100種類以上の機能・製品アップデートをリリースしたと発表した。主にShopifyの基盤となるソフトウェアの強化に焦点を当て、販売商品の掲載サポートや、ストアの訪問客に購入を促すための機能を中心にアップデートした。

Shopifyはこのほど、コマースプラットフォームやコマースに不可欠なサービスを提供する「Shopify」において、「Shopify Winter 24 Eiditon」を発表した。今回のEditionでは、主に「Shopify」の基盤となるソフトウェアの強化に焦点を当てたアップデートを提供する。

「Shopify」の基盤の強化は、「Shopify」上で何を構築できるかを大きく左右するため、今回のようなソフトウェアに焦点を当てたアップデートは必要不可欠だとしており、コンバージョン向上に貢献する機能などをアップデートした。

「Winter 24 Edition」でリリースされたアップデートは、主に以下のようなものがある。

<コンバージョンを高める>

■商品販売

販売商品をストア上にどのように掲載するかにより、コンバージョンは大きな影響を受けるため、それを支援する機能をアップデートした。

・バリアントの制限を2000に引き上げ

新しいGraphQL APIにより、「Shopify」のバリアント制限を現在の100から2000に引き上げた。複雑な商品カタログやバリエーションに富んだ配色、サイズ、SKUオプションを利用する際に役立つ。

・バリエーションを展開する商品ページのグループ化

これにより例えばカラースタイルなど、複数のバリエーションで展開する商品を販売する際に、購入者は1つの商品リストから他のバリエーション商品を閲覧して購入できる。各バリエーション商品は、1つのページにグループ化して表示もでき、それぞれの商品詳細ページを作成し、説明や商品イメージをつけることも可能。

・より優れた商品分類

新しい商品分類により、商品リストの作成をより短時間で簡単に実施できる。商品ページでは、標準化されたカテゴリーとカテゴリー固有の商品属性(例:カラー、年齢層、サイズなど)が異なるバリエーションに自動的に適用され、手作業の削減が可能。ソーシャルやマーケットプレイスのチャネルに公開する商品をより見つけてもらいやすくなる。

■ストアフロントのパフォーマンス向上

スピードはコンバージョンにもっとも影響する要素と言えるとし、新しいWebパフォーマンスダッシュボードでは、業界標準のコアWebバイタルである「読み込みにかかる時間」「インタラクティブ性」「ビジュアル表示の安定性」を表示する。過去1年間で、グローバル・インフラを300ポイントまで拡大し、ストア画面の読み込み時間の速度を35%向しており、世界中から0.05秒以内にアクセスできるようになった。

■セマンティック検索

人々は、文字通りの言葉だけでなく、言葉の文脈や背景を理解することでコミュニケーションを図っている。同様に情報検索においても、検索ワードによってマッチングした商品情報を表示するだけでは、本当に探している情報が表示されるとは限らないとし、AIを活用した新しいストアフロント検索機能「セマンティック検索」を提供。

例えば「冬に着る暖かい服」と入力すると、特定のキーワードが使用されていなくても、セーターやニット帽、毛糸の靴下などを探していると認識。キーワードの枠を超え、買い物客が探している商品の意図までを理解し、属性に紐づいた関連性の高い検索結果を表示できる。買い物客がより直感的に欲しい商品を検索できることで、コンバージョンの向上にも貢献する。「セマンティック検索」は、まず英語のみで提供し、将来的には日本語を含めた他の言語でも提供予定としている。

<Shopify Checkoutをアップグレード>

インターネット上でもっともコンバージョンの高いチェックアウト「Shopify Checkout」をさらに強化する機能を追加した。

・One-page checkout

「One-page checkout」機能により、チェックアウトで表示されるページ数を3ページから1ページにまとめたことで、購入を完了するまでの時間が平均4秒短縮した。

・Checkout Extensibility

「Shopify」のチェックアウトをカスタマイズするために、新たに14種類のAPIや機能アップデートを追加した。さらにアップセルやロイヤリティプログラム、購入後のアンケート、コンバージョントラッキング、カスタムコンテンツなどの機能が利用可能になる90種類以上の新しいアプリも追加している。

■Subscriptions(定期購入)

「Shopify Subscriptions」では、「Shopify」の管理画面からサブスクリプションを直接設定し、管理できる無償機能を提供する。

<オペレーションの効率化を高める>

AIを活用した機能を提供することで、コマースビジネスの業務効率化を支援する。

■Shopify Magic

「Shopify Magic」というAIに対応した機能群を無償で提供し、「Shopify」のプラットフォームの基盤にAIを組み込み、事業者の最先端ビジネスの運営をサポートする。

■Media Editor

オンラインストアを構築するには、高品質なメディアアセットを数多く準備する必要があるとし、「Media Editor」では、「Shopify」管理画面上で生成AIを活用し、商品画像を簡単に生成できる。数回のクリックやキーワードの入力だけで、オリジナル画像の作成やプロレベルの画像編集ができ、テクニカルなデザインスキルは必要ない。不要なピクセルを消したり、低解像度画像(最大4Kまで)のディテールを強調したりなど、補正作業も可能となる。

■Sidekick

「Sidekick」は、世界初となるAI対応のコマースアシスタントで、生産性の向上やワークフローの改善、スマートな意思決定を支援する。なお、現時点では、限定的なリリースとなる。