ベネッセは2月1日、生成AIを使った進研ゼミの新サービス「チャレンジ AI学習コーチ」に関する発表会を開催した。発表会には、ベネッセコーポレーション 校外学習カンパニー カンパニー長の成島由美氏が登壇し、新サービスの概要を紹介した。

また発表会の後半には、進研ゼミの新TV CMに出演している向井理さんとスペシャルMCとしてナイチンゲールダンスの2人が登場し、チャレンジ AI学習コーチのデモンストレーションを行い、会見を盛り上げた。

  • 左からベネッセコーポレーション 校外学習カンパニー カンパニー長の成島由美氏、向井理さん、ナイチンゲールダンス(左:中野なかるてぃんさん 右:ヤスさん)

    左からベネッセコーポレーション 校外学習カンパニー カンパニー長の成島由美氏、向井理さん、ナイチンゲールダンス(左:中野なかるてぃんさん 右:ヤスさん)

チャレンジ AI学習コーチとは?

今回発表されたチャレンジ AI学習コーチとは、「いつでも!どこでも!わかるまで!一人ひとりに最適なやり方で学べる」をコンセプトに作られた生成AIを活用したサービスで、進研ゼミの学習や学校の宿題に取り組む中で、教科のわからないことなどの疑問を即時に解決するものとなっている。

進研ゼミが55年の歴史で培ってきた指導ノウハウやコンテンツと生成AIを組み合わせることで、「教科質問」「学習法相談」を提供するという。2024年3月末(4月号)からサービス開始予定で、以下の3点を特徴として兼ね備えている。

  • 教科学習についての疑問や学習法の相談を、いつでも何度でも相談できる
  • 質問することが難しい小学生でも、AIがうまく聞き返しながら適切な解説に誘導してくれる
  • 解決できない場合は、進研ゼミスタッフ(人)が答える質問サービスへ連携し、確実に解消できる
  • チャレンジAIコーチのイメージ

    チャレンジAIコーチのイメージ

同社は、2023年夏に自由研究を助けるサービスとして「自由研究お助けAIβ版」を提供していたが、今回発表されたサービスは、その際の顧客の声や開発で得られた知見を活かして開発されたものだ。

最初に登壇した成島氏は、チャレンジ AI学習コーチの企画背景として「社会の複雑化や価値観の多様化に伴い、子どもたちを取り巻く学習環境や、未来に向けて求められる力が変化している」という現状を挙げた。

特にコロナ禍の学習習慣の未定着や意欲の低下は著しく、東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト「子どもの生活と学びに関する親子調査2019-2022」の調査結果によると、「勉強しようという気持ちがわかない」という項目に「とてもあてはまる」または「まああてはまる」と回答した小学4~6年生は20.7%も上昇していることが分かったという。

「このような現状を踏まえて、弊社ではより一人ひとりの目標や生活、学力状況に寄り添ったサービスの開発が不可欠になると考えています」(成島氏)

  • チャレンジ AI学習コーチの企画背景を語る成島氏

    チャレンジ AI学習コーチの企画背景を語る成島氏

また2024年度には、同サービス以外にも、子どもたちの慣れ親しんだデバイスとゲーム形式で、学習意欲と学力の向上を図る「得点アップシリーズ for Nintendo Switch」のラインナップの拡充も予定しているそうだ。

これまでは小学4年生と5年生、中学1年生への提供のみだったが、2024年度からはこの3つに加えて、小学1.2年生、3年生、4年生、5年生、6年生、新中学1年生という6つのコンテンツを追加。

  • 得点アップシリーズ for Nintendo Switchのラインナップ

    得点アップシリーズ for Nintendo Switchのラインナップ

音声で優しく勉強の悩みをサポート

発表会の後に実施されたチャレンジ AI学習コーチのデモンストレーションには、進研ゼミの元受講生で2月2日から開始される新CMにも出演している向井理さんと、コンビで進研ゼミの元受講生であるナイチンゲールダンスの2人がスペシャルMCとして登場した。

  • 左から向井理さん、ナイチンゲールダンス 中野なかるてぃんさん、ヤスさん

    左から向井理さん、ナイチンゲールダンス 中野なかるてぃんさん、ヤスさん

小学校卒業まで進研ゼミで勉強をしていたという向井さんは、今回発表されたチャレンジ AI学習コーチについて以下のように語った。

「進研ゼミをやっていた頃は本当にアナログなものしかありませんでした。なので、このサービスのお話を聞いた時は、CMで皆さんに伝える側なはずの僕が一番驚いていました」(向井さん)

  • チャレンジ AI学習コーチについての想いを語る向井さん

    チャレンジ AI学習コーチについての想いを語る向井さん

デモンストレーションでは、事前にサービスを体験したという中野さんが向井さんにレクチャーする形で「少数の割り算」の方法を質問した。この少数の割り算に関する質問は小学5年生でよくある質問の1つだという。

  • 小学5年生の頻出質問を紹介する中野さん

    小学5年生の頻出質問を紹介する中野さん

同サービスは、最初に「きみが質問したいのは何かな?」という質問に対して「教科」と「やる気勉強法」のどちらかから選択することからスタートする。今回のデモンストレーションでは、少数の割り算をテーマにしていたため、教科の中から「算数」という項目を選択。項目の選択後は、自身の聞きたい内容を入力することで、その質問に沿った回答をAIが回答してくれるという仕組みだ。

  • チャレンジ AI学習コーチを体験する向井さんと赤ペン先生ならぬ「青スーツ先生」としてレクチャーする中野さん

    チャレンジ AI学習コーチを体験する向井さんと赤ペン先生ならぬ「青スーツ先生」としてレクチャーする中野さん

音声で丁寧に説明してくれるため、人間の先生に教わっているのと同じくらい分かりやすく内容を理解することができる。向井さんも「意外とこの単元は忘れていたけど、これで小学生の息子に自慢できる」と笑顔を見せていた。

「芸人として売れるには?」 漠然とした悩みも生成AIが解決

また、勉強以外でも学生が持つ漠然とした悩みも解決してくれるのが同サービスの特徴だ。向井さんからデモンストレーションを交代した中野さんは「芸人として売れるためにはどうしたらいいですか?」という質問を同サービスに投げ掛けた。

同サービスでは、このような抽象的な相談にも「芸人を目指すのは素晴らしい夢だね!自分らしさを大切にして独自のネタやスタイルを追求しよう」と回答してくれる。

  • 「芸人として売れるためにはどうしたらいいですか?」という質問を投げかける中野さんとそれを見守るヤスさん

    「芸人として売れるためにはどうしたらいいですか?」という質問を投げかける中野さんとそれを見守るヤスさん

この回答に対して中野さんは「もっとシンプルに『お客さんを楽しませてね』ということを言われると思ったら具体的なアドバイスでびっくりした。(構成)作家さんくらい的確なアドバイス」と驚きの表情を見せていた。

最後に会の締めくくりとして向井さんは、以下のように改めてサービスを紹介した。

「勉強に苦手なイメージを持つ人も多いと思います。でも、このチャレンジ AI学習コーチはとにかく勉強や学校生活に興味を持たせてくれるツールなので、勉強への苦手意識を少しでもなくしてもらえたら嬉しいです。また、新しい技術なのでお子さんだけでなく親御さんも楽しんで活用できるのではないかと思います」(向井さん)