食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地はこのほど、キッチンレス社食を企画・運営するノンピの株式を譲り受け、同社の第三者割当増資を引き受けることにより、ノンピの株式の約51%を取得し、連結子会社化したと発表した。自社が注力しているBtoBサブスクリプション事業領域において、事業成長のスピードアップや強化を図る。2024年1月から子会社化し、事業連携をスタートしたシダックスの給食事業ともシナジーを創出し、グループ全体での相乗効果獲得も目指す。
オイシックス・ラ・大地は、「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」の国内主要ブランドを通じ、安心・安全に配慮した農産物、ミールキットなどの定期宅配サービスを提供している。
1月31日に、ノンピの株式を譲り受けるとともに、同社の第三者割当増資を引き受けてノンピの株式の約51%を取得し、連結子会社化した。
ノンピは、「共食」の機会と可能性を世界へ広げるために、「新しい共食」の社会実装に挑戦している。既存の社員食堂の遊休時間を活用し、「弁当より良い食事を従業員に提供したい」「最小限の投資社員食堂を作りたい」といったニーズに応えるキッチンレスの社員食堂事業(企画・運営)、法人向けのフードデリバリーやケータリングサービス事業を展開している。
現状の社員食堂の多くは現地調理型が主流であり、マーケットは約1.2兆円と大きいものの前年比では縮小している。理由として、キッチンの有無や食材の品質管理などにより導入ハードルが高いことが挙げられる。
一方で、アフターコロナにおいて、社員の出社時の福利厚生やコミュニケーションの空間として社食を見直す動きが活性化している背景があり、オフィス移転のタイミングで社食導入を検討する企業が増加している。ノンピは、社食導入時にキッチン施設がなくても社食提供が可能で初期投資が抑えられる点や、導入企業のニーズに合わせた運営形態の企画提案などができることから、多くの企業で採用されている。
オイシックス・ラ・大地は、今回の子会社化により、自社のBtoBサブスクリプション事業の成長拡大に向けて、グループ会社間での連携の強化を進めていくとしている。自食材調達や配送の効率化、ミールキットメニューの社食提供、業務用ミールキットによる作業効率化などを見込んでいる。
2024年1月から子会社化し、事業連携をスタートしたシダックスの給食事業においては、導入企業の企画運営や相互の社食運用ノウハウの共有により、グループ全体での企業価値向上を目指す。
オイシックス・ラ・大地の子会社であるケータリング事業を運営するCRAZY KITCHENとも協業することで、グループ全体にとってそれぞれの事業成長を見越した相乗効果が期待できるとの考えを示した。