エア・ウォーターは1月31日、RapidusよりRapidusが北海道千歳市に建設する半導体工場(Innovative Integration for Manufacturing:IIM)のパイロットラインにて使用する特殊ガスや特殊ケミカルをはじめとした半導体材料の本州から北海道に至る輸送を手配する取りまとめを行う業者の1社に選定されたことを発表した。
エア・ウォーターはグループとして、産業ガス供給のみならず、半導体用特殊材料、汎用ケミカルおよび各種供給装置の製造販売、さらに配管工事からロジスティクスに至るまで、半導体製造を総合的にサポートする体制を有しているほか、高圧ガスや危険物を取り扱うことができる物流倉庫を半導体工場の近隣や輸送の中継拠点に設け、半導体製造プロセスに必要な各種材料の調達から供給まで一元管理するほか、工場内に有資格者を配置し、容器交換や材料供給装置の点検業務を一括して請け負う、材料マネジメントサービスを展開してきた。
今回の選定は、そうした同社の取り組みを踏まえたもので、同社では、IIMヘの安定供給体制の確立に向け、グループ総合力を活かしたロジスティクスサービスへの参入を開始するとしており、同社グループで西日本地域の物流を担う西日本エア・ウォーター物流の亀山物流センターが関西・中部エリアにおける輸送の中継基地となることを決めたとする。Rapidusでは、全国の材料サプライヤから送られてくる半導体材料を、各地に設けたターミナルに集めた後、貨物の取りまとめを行い、鉄道や船舶を活用したモーダルシフトで北海道へ輸送する予定だという。
なお、エア・ウォーターによると、同社グループは北海道内に複数の物流センターを有しており、少量の試薬品からISOコンテナなどの大型容器に至る材料の保管管理ができることや、北海道と本州を跨ぐ産業廃棄物の収集運搬ができることなどを強みに、安全かつ効率的に半導体材料の輸送・保管を行い、半導体産業の発展につなげていきたいとしている。