デル・テクノロジーズ(デル)は2月1日、SUBARUの予防安全を担う運転支援システム「アイサイト」のAI開発基盤を「Dell PowerScale」スケールアウト型ネットワークアタッチドストレージ(NAS)で支援していることを明らかにした。

SUBARUが感じていた課題感

従来のアイサイト開発では主に動画データが用いられ、ファイル数が十数万点規模だったのに対し、AI開発には静止画像データが用いられ、数億から数十億規模のファイル数となっていたという。SUBARUが2020年に設立したAI開発拠点「SUBARU Lab」では、次世代「アイサイト」のキーテクノロジーとなるAI開発のベースとなるデータの、保存や管理方法が課題となっていた。

ストレージの選定においては、大量のデータをシンプルに扱えて、フォルダ構造がシンプルであることが求められていたため、1つのフォルダ内にできるだけ多くのデータを保存できる必要がった。また、データ容量の増加に対応できる拡張性や、性能と信頼性の高さも必須の要件とされた。

採用の理由

SUBARUが今回採用した「PowerScale」ストレージシステムは、エンタープライズファイルワークロード向けに設計された、スケールアウト型のNASシステム。拡張性に優れ、クラスター内や拠点間でストレージを階層化する「SmartPools / CloudPools」機能を備え、物理的なストレージの設置場所を気にすることなくデータを活用でき、データ保存コストを最適化できる点などが、採用理由となった。

大量のデータの中から目的のデータを高速検索する「PowerScale」専用のデータ可視化ソリューションも評価されたようだ。

SUBARUが実感した導入効果

今回、SUBARUは「PowerScale」を採用したことで、従来の開発環境と比較して約1000倍規模のファイル数に拡大したデータへもスムーズに対応できたとのことだ。同社は「PowerScale」の自動階層化機能を活用して、性能要件とコスト要件を両立しながら、大量データの中から目的のデータを高速検索できる環境も実現できたとしている。

これまで分断されていたSUBARU LabやSUBARU 東京事業所の拠点間をまたぐデータアクセスにも対応できるようになり、開発業務にも大きなメリットが生まれ、開発業務でデータを利用する際にも導入効果を実感できるようになったそうだ。