GNUプロジェクトは現地時間2024年1月31日、GNU C Library バージョン2.39のリリースをメーリングリストで報告した。ソースコードはGNUのダウンロードページやミラーサイトから入手できる。GNU C Libraryもしくはglibcは標準Cライブラリーとして、GNU/Linuxの中核となる構成要素の一つとして使用されてきた。
glibc バージョン2.39はx86-64環境でglibc.cpu.plt_rewriteを用いたPLT(Procedure Linkage Table)書き換えの有効化や、Linuxカーネル バージョン6.6のShadow Stackとの連携を実現した。プロセスIDの代わりにファイル記述子を返すpidfd_spawn関数とpidfd_spawp関数、ファイル記述子に関連付けられたプロセスIDを取得するpidfd_getpid関数を追加。割り当てたメモリーの追加情報を取得するglibc.mem.decorate_mapsの強化や、共有ライブラリーのリンクに用いるldconfigは「;(セミコロン)」を含むファイルと「~.dpkg.tmp」「~.dpkg.new」で終えるファイル名をスキップする仕様変更が加わった。また、暗号化ライブラリーのlibcrypt削除に伴い、configureのオプション「--enable-crypt」「--enable-nss-crypt」が使用できなくなっている。次のバージョン2.40は2024年8月ごろリリースされる予定だ。