キオクシアは1月31日、同社のSSDが国際宇宙ステーション(ISS)で科学実験を行う目的でSpaceXのFalcon 9ロケットで打ち上げられたHewlett Packard Enterprise(HPE)の宇宙スーパーコンピュータ(スパコン)「Spaceborne Computer-2」に搭載されていることを明らかにした。

Spaceborne Computer-2はHPEの商用サーバである「HPE Edgeline」ならびに「HPE ProLiant」で構成された商用オフザシェルフのISS向けエッジコンピューティングおよびAI対応システム。リアルタイム画像処理、ディープラーニング、科学シミュレーションなど、さまざまなHPC処理を宇宙空間で実行するために設計されており、ヘルスケア、自然災害からの復旧作業、3Dプリント、5G、AIなどさまざま分野の実験での活用が想定されている。

キオクシアのSSDはフラッシュメモリストレージとして採用されており、960GBのValue SAS SSD「KIOXIA RMシリーズ」を4台、30.72TBのEnterprise SAS SSD「KIOXIA PMシリーズ」を4台、1,024GBのNVMe SSD「KIOXIA XGシリーズ」を8台搭載しており、合計130TBを超す総データストレージ容量を提供。これは、1回のミッションでISSに送られた総データストレージ容量としては過去最大のものとなるという。

なお、キオクシアでは今回のミッション中、毎日SSDの健全性の状態をモニターし、ISSからログファイルも受け取る予定としており、この健全性に関するデータを分析していくことで、宇宙空間の過酷な環境がフラッシュメモリストレージの動作にどのような影響を与えるかの理解に役立てていきたいとしている。

  • 国際宇宙ステーション(ISS)とキオクシアのフラッシュメモリストレージ

    HPEの宇宙スパコン「Spaceborne Computer-2」に搭載され、国際宇宙ステーションで活用される予定のキオクシアのフラッシュメモリストレージ (出所:キオクシア)