アリババクラウドは1月30日(シンガポール時間)、モデル展開と推論のためのコスト効率の高いソリューション「PAI-EAS」(Platform of AI - Elastic Algorithm Service)のサーバレス版を個人および企業向けに提供開始すると発表した。

  • アリババクラウド CTO 周靖人(Jingren Zhou)氏

    アリババクラウド CTO 周靖人(Jingren Zhou)氏

「PAI-EAS」のサーバレス版を提供開始

同ソリューションのサーバレス機能により、ユーザーは必要に応じてコンピューティングリソースを利用できるようになるため、物理サーバや仮想サーバの管理や保守が不要となる。使用したコンピューティングリソースに対してのみ課金されるため、従来版と比較して推論コストを約50%削減できるという。

現在のところサーバレス版はベータテスト中とのことだが、画像生成モデルのデプロイメントへのアクセスを提供する。3月をめどにサーバレス版の機能を強化し、オープンソースのLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)やアリババのAIモデルコミュニティ「ModelScope」のモデルのデプロイメントをサポート予定だとしている。

モデルトレーニングを支援

同社は同日に、AI関連のコンピューティングタスクにおけるデータの前処理と分析に対する需要に対応するため、ビッグデータサービスをアップグレードして分散Pythonデータ処理フレームワーク「MaxCompute MaxFrame」を発表した。

また、デザイナーの創造性を促進するために、モデルトレーニングと画像生成向けとなる包括的なプラットフォーム「PAI-Artlab」も発表。これにより、デザイナーはプロフェッショナルレベルのデザインを迅速に作成できるようになるという。

デザイナーはこのプラットフォームを活用し、インテリアのホームデザインや製品の販促ポスター、ゲームのキャラクター作成、ゲームシーンの開発など、さまざまな用途のデザイン画像を生成可能だ。コーディングの知識を持たないデザイナーでも、特定の要件に合わせた画像を生成するカスタムモデルを開発してトレーニングできる。