日立ソリューションズは1月30日、自社が開発した温度を検知するQRコードラベルによる温度管理サービスを活用し、カンパチの温度を検知して付加価値を上げる鮮度保持に向けた実証試験を開始すると発表した。垂水市漁業協同組合らと共同で実施する。
エンドツーエンドでのコールドチェーンの整備
昨今、日本産農林水産物・食品の輸出が拡大している中、商品の鮮度維持のためには生産地から消費地までエンドツーエンドでのコールドチェーンの整備が不可欠となっている。一方、市場が拡大するなかで、食品流通のサプライチェーンでは、食品ロス、プラスチック類の廃棄やCO2排出量の低減が課題となっている。
カンパチの温度を検知、輸送品質の見える化へ
同実証実験では、貼り付けた対象物そのものの温度を検知する温度検知QRコードラベルをカンパチに貼り付け、カンパチ自体の温度検知を行う。また、カンパチ周辺の環境温度も測定し、個品単位からコンテナ単位に至る広範囲で厳密な温度モニタリングを実施し、輸送品質の見える化を実現する。
これにより、過剰もしくは過少冷却されている可能性も考えられるコールドチェーンの実態を把握し、商品ケースに投入するカンパチ、保冷剤の最適入り数を見極めることで、最適な輸送品質を構築し、カンパチの付加価値向上につなげる考えだ。加えて、輸送コスト、到着地での保冷剤廃棄量、CO2排出の削減効果も検証する。