食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地は1月25日、アップサイクル商品を開発・販売するフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix」において、カルビーかいつかスイートポテト社とのコラボレーションによる「パンク焼き芋」シリーズの販売を開始した。見た目だけで規格外になっていた焼き芋をアップサイクルし、フードロス課題の解決に貢献する。
オイシックス・ラ・大地の提供する「Oisix」は、「つくった人が自分の子どもに食べさせられる食材のみを食卓へ」をコンセプトとした、有機野菜や特別栽培野菜、合成保存料・合成着色料を使わない加工食品などの生鮮食品を取り扱うEC食品宅配サービス。
生産現場から食材が顧客に届くまで、一気通貫で「食」に向き合う「Oisix」だからこそ生まれたフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix」は、これまで見栄えや食感の悪さなどから捨てられていた食材を、より環境負荷が低く、新たな価値を加えた自社オリジナルのアップサイクル商品として開発、おいしく驚きのある新たな食材を生み出している。2021年7月のサービス開始からこれまでに食材約102トンをアップサイクルしてフードロスを削減(2023年12月28日現在)。2品から始まったオリジナル商品数は100品となり、2023年のグッドデザイン賞も受賞している。
1月25日には、カルビーかいつかスイートポテト社との初コラボレーションによる「パンク焼き芋」シリーズの販売を開始した。ミールキット商品として、規格外となった「パンク焼き芋」を贅沢にトッピングしたフレンチトースト、Kit Oisix「パンク焼き芋の塩バターフレンチトースト」(1566円/税込)と、規格外となった「パンク焼き芋」とグリルしたれんこんを合わせたデリサラダ、Kit Oisix「パンク焼き芋とれんこんのグリルサラダ」(1393円/税込)。
▲「パンク焼き芋とれんこんのグリルサラダ」
加工商品として、規格外の「パンク焼き芋」の優しい甘さと香ばしさを皮ごとたっぷり詰め込んだシンプルな原料の特製パン「はじけちゃうおいしさ!パンク焼き芋パン」(408円/税込)と、規格外の「パンク焼き芋」を北海道産有塩バターとはちみつと合わせて濃厚に仕上げた焼き芋バター「はじけちゃうおいしさ!パンク焼き芋バター」(842円/税込)の計4商品がラインアップする。
▲「はじけちゃうおいしさ!パンク焼き芋パン」
▲「はじけちゃうおいしさ!パンク焼き芋バター」
かつては秋の風物詩だった焼き芋だが、最近では「冷やし焼き芋」として暑い時期に食べたり、さつまいもの品種ごとの味わいの違いを楽しんだりと、1年を通してさまざまな楽しみ方が提案されている。
カルビーかいつかスイートポテトは、焼き芋の原料であるさつまいも専門会社であり、国内最大級のさつまいもの取り扱いがある。同社の焼き芋製造工場では、焼成の過程で、皮がむけたり、折れたりなどで形が崩れて規格外となる焼き芋が発生しており、味は問題ないが見た目が正規品とは異なるという理由から、一部はパウダー原料や店舗用商品として加工活用しつつ、その多くは畜産飼料・肥料となっていた。
▲カルビーかいつかスイートポテトの「焼き芋」
本取り組みでは、カルビーかいつかスイートポテトの製造過程で発生した規格外の焼き芋を使用。さつまいもを収穫後、長年のノウハウによって温度・湿度が調整された貯蔵庫で寝かせることでより甘さが増し、ていねいにオーブンで焼き上げることで濃厚な甘さの焼き芋に仕上げている素材本来の美味しさを活かし、オイシックス・ラ・大地でアップサイクルをすることで、フードロス課題を解決したいとの考えを示した。
本取り組みを通して、発売1カ月のうちに、約2トンの規格外焼き芋のフードロス削減を目指す。
2020年の国内のフードロス522万トンの内、事業系は275万トン。さらにその内訳は、食品製造業121万トン、外食産業81万トン、食品小売業60万トン、商品卸売業13万トンとなっている。
「Upcycle by Oisix」では、事業系ごみの1位となっている食品製造業との取り組みとして、2023年1月にチョーヤ梅酒とのアップサイクル商品の販売を開始。2023年2月には事業系ごみの2位である外食産業との取り組みとして、プロントコーポレーションとのアップサイクル商品の販売を開始しており、今回、事業系ごみの3位である商品卸売業との取り組みを実施した。
今後も取り組みを推進していくことで、食のアップサイクルにはまだまだ多くの可能性があるとの考えを示した。