楽天ラクマとコメ兵、鑑定サービスの本格提供を開始 「目利き」と「AI」を活用

楽天グループは1月29日、フリマアプリ「楽天ラクマ」において、2022年9月よりコメ兵と共同で試験提供を開始した、商品を購入したユーザーが必要に応じて商品の検品を依頼できる「ラクマ鑑定サービス」の本格提供開始した。これに伴い、名古屋鉄道の中吊り広告の出稿、およびプレゼントするキャンペーンを実施して周知を図る。

楽天グループは、二次流通における偽造品撲滅に貢献することを目的に、フリマアプリ「楽天ラクマ」で商品を購入したユーザーに対し、商品を無料(鑑定拠点までの片道送料は必要)で鑑定できるサービス「ラクマ鑑定サービス」を、2029年9月よりコメ兵と共同で試験提供してきた。

対象カテゴリは、ブランドバッグ、衣料、時計、ブランドジュエリーなどで、「楽天ラクマ」で対象商品を購入し、鑑定を希望するユーザーは、商品到着後に取引画面に表示される「鑑定を依頼する」ボタンを押下し、指定の場所に発送することで「ラクマ鑑定サービス」を利用できる。

商品の検品業務は、楽天グループから委託を受ける形で、コメ兵が自社検品サービス「KOMEHYOカンテイ」を通じて担う。鑑定の結果が「基準内」の場合は、コメ兵が購入者へ商品を発送。購入者が受け取った後、受取通知を行うことで取引完了となる。「基準外」となった場合は取引はキャンセルされ、売上金は購入者へ返金、商品は出品者へ返品される。

コメ兵は、リユース市場の価値向上を実現する取り組みを進めており、創業から76年間で培った知識をもつ専門の鑑定士による「目利き」と合わせ、AIなどのテクノロジーによる検品にも注力するほか、 商品メンテナンスをていねいに行うことで、独自に仕入れた商品に信用を乗せてユーザーに提供している。

今回の提携は、「楽天ラクマ」の 「ユーザーに個人間取引をより安心して楽しんでいただき、中古市場のさらなる活性化を図りたい」という考えと、コメ兵の「自社の強みである商品の『目利き』と精度の高い『AI』を活用し、中古品市場の偽造品排除につながる新たなビジネスモデルを構築したい」という考えとが一致し、実現した。

「楽天ラクマ」はこれまでも、ユーザーに安心して取引を楽しんでもらうため、24時間365日体制のパトロール、検知ロジックの強化などを行ってきたが、顔の見えない相手との取引に不安を感じるユーザーが一定数いることから、より安心して取引できるよう本サービスの提供開始に至ったとしている。

「ラクマ鑑定サービス」は、2022年9月に試験運用を開始して以降、利用者から「不安が払拭された」「判定結果のスピードが速かった」「無料なのが嬉しい」「KOMEHYOの信頼性が高い」など、ポジティブな評価が多く寄せられ。これらの評価が鑑定対象商品の取引活性化に繋がることも確認できた。

本サービスの対象となる商品群に対して、鑑定対象であることを表示したユーザーと、表示しないユーザーを比較したところ、顧客転換率(CVR)、平均単価(AOV)が共に、鑑定対象と表示されているユーザーの方が高い結果を得た。さらに「楽天ラクマ」ユーザーへの意識調査によると、本サービスを知らなかった約9割のユーザーが「鑑定サービスがあることを知っていたとしたら、よりラクマで購入したい」と回答し、「ラクマ鑑定サービス」の潜在的需要が高いことがわかった。

こうした状況を受け「楽天ラクマ」では、1月29日より「ラクマ鑑定サービス」の本格提供開始した。

約4カ月の試験運用を経て、より使いやすいサービスとなるよう、鑑定対象商品に表示されるバッジや申込ボタンなどのUI/UXを改善。「二次流通の偽造品撲滅に貢献したい」という自社の想いがより多くのユーザーに届くよう、意見ページ(「楽天ラクマ」の「ラクマ鑑定サービス」への思い)も開設した。

本格提供開始を記念し、2月7日より、期間中本サービスを介した取引の購入者と、出品者の双方へ300ポイントを進呈するキャンペーンを実施する。さらにコメ兵の本社があり、本サービスの拠点となる愛知県で、より多くの人に両社の取り組みを知ってもらうため、名古屋鉄道への中吊り広告の出稿(1月29日~2月4日)も実施する。

楽天グループ、コメ兵の両社は、今後も引き続き、より多くの人に安心してリユースを利用してもらい、持続可能な社会の実現につながる「モノの循環」を生み出す取り組みにチャレンジしていく考えを示した。