パーソルキャリアは1月29日、転職サービス「doda(デューダ)」を通じて実施した副業の実態調査の結果を発表した。これによると、副業している人は8.4%で、2年連続で増加したという。
同調査は同社が、2023年8月23日~9月1日にかけて20~59歳の男女正社員を対象に実施したものであり、有効回答者数は1万5000人。
副業をしているか尋ねたところ、「している」との回答は2022年の調査と比べ0.2ポイント増の8.4%、「検討中」は同1.8ポイント減の16.6%だった。
副業の平均月収は?
副業の平均月収は6万5093円で、2022年調査のから1万3875円増加した。
年代別に見ると、20代と30代の平均月収が下がった一方で、40代以上は2022年調査の6万5284円から9万6564円へと大きく増加し、また100万円以上の収入を得ている人もおり、40代が全体の平均月収を引き上げた。
平均月収で最も割合が多かったのは1万円未満の48.1%で、2022年調査の29.1%から大きく増加し、10万円以上が13.8%(同15.9%)で続く。1万円未満の割合が大きく増えたことで、1万円台から10万円以上までの区分の割合は全て低下したものの、5万円以上の割合は23.8%と一定数存在している。
講師/家庭教師/試験監督が増加
副業の種類を見ると、最も増えたのは講師/家庭教師/試験監督で、2022年の調査から1.5ポイント増の6.3%だった。半面、最も減ったのはホームページ・CGなどの制作で、同3.6pt減少の4.7%だった。
種類別の最多はサービス業(接客・販売)の21.3%であり、以下、株/FX(18.4%)、ネットビジネス(通販・アフィリエイト・ネットショップ運営)(10.6%)が続き、前回調査と順位は変わらない。
約5割の企業が「副業を禁止」
勤務先が副業を認めているか質問したところ、認めているとの回答は27.5%で、2022年調査の25.3%から2.2ポイント増加した。一方、禁止しているとの回答は47.5%で、前回の49.8%から2.3ポイント減少した。
認めているとの回答は禁止しているとの回答より20.0ポイント低いものの、働き方の多様化が進む中で差は縮まりつつあると、同社は見ている。
勤務先が副業を認めているかどうかを業種別に見ると、19業界中13業界で認めている企業の比率が増加した。禁止している企業の比率では、2022年の調査で60%台だった金融とエネルギー(電力・ガス・石油・新エネルギー)が、いずれも50%台に低下している。
業界により状況は異なるが、全体的な傾向としては、幅広い業界で副業を推進していると、同社は推測する。
副業を認めている企業の比率が高い業界は、人材サービス・アウトソーシング・コールセンターの52.6%で、前回の34.7%から大きく増加した。以下、警備・清掃(41.3%)、コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ(40.5%)の順だった。
調査結果を受けてdoda編集長の加々美祐介氏は、「副業している人からは、『本業のスキルアップになった』『新たな体験ができた』『ストレスの発散になる』といった声が上がるなど、収入面以外でやりがいを感じているようです。また、『人脈が広がる』『新たなコミュニティができる』など、自分のはたらき方や生活を見直すための機会として捉えている人も多くいるようです。これは、公私ともに高め合うことで充実感と幸福感を得ることを目指す考え方で、『ワークライフインテグレーション』とも呼ばれ、注目され始めています。副業は、人生、そしてはたらく人生に、ポジティブな影響を与える可能性があるのではないでしょうか」とコメントしている。