ガートナージャパン(Gartner)は1月29日、日本におけるデータ活用の取り組みに関する調査を実施し、その結果を公表した。この調査は従業員規模100人以上の企業に勤める個人400人を対象に実施したもの。
データ利活用に対する日本企業の関心は依然として高いが、全社的に成果を上げている企業は3%程度で、前回調査(2022年7月)時の2.2%から、あまり変化していないことが明らかになった。
取り組みを推進する組織体制が整っていない状況が浮き彫りに
回答者の所属する企業のデータ利活用に対する状況、あるいは組織体制について尋ねると、約6割が「該当するものがない」と回答したことから、企業全体としての姿勢は積極的とはいえず、具体的な取り組みを推進するための組織体制も整っていない状況が浮き彫りになった。
日本の大企業の多くはDX(デジタルトランスフォーメーション)に注力し、そのための部門を設立して投資を積極化させているため、デジタル技術の活用については企業としての姿勢も内外に示されており、組織体制も構築されている。
一方で、データ利活用への関心もあるものの、社内外へ発信される言葉はDXやデジタルであるため、それらと比べるとデータ利活用に対する取り組みの姿勢を内外に示すこともなく、組織体制も整備されていない状況にある可能性があるという。
半数以上がデータ管理の状況について「分からない」
また、回答者の企業におけるデータ管理の状況について尋ねた別の設問では、「分からない」と回答した割合が半数を超えていることに加え、データ管理で重要となるデータの取り扱い方や権限についての明確なルールや、データ品質の管理責任者、データ管理の専門組織などを定めているという回答が、回答の総数に対して少ない結果となった。
一志達也氏は、これらの結果に対して次のようにコメントしている。
「この結果は、ほとんどの日本企業では、ビジネスを遂行する上で必要な指標管理は組織的に行われておらず、データに関するガバナンスが効いていない状況を示しています。データ利活用というと、データ・ドリブンな業務遂行や意思決定が求める成果として挙げられますが、基本的な指標管理がない状態で、なし遂げられるものではありません」