オムロンは1月29日、脱炭素社会の実現に向け、製品サプライチェーンのカーボンフットプリント(CFP)の見える化に向けた実証実験を、NTT Com、コグニザントジャパン、ソルティスターと実施することを発表した。

実証実験の概要

今回の実証実験は、「CFP算出に必要な生産現場データ収集の自動化検証および算出/改善支援ツールの確立」「グローバルデータ流通基盤を活用した収集・分析ノウハウの獲得」「サステナブルなモノづくり現場実現に向けて共創取り組み・参画企業の拡大」という3点を目的として、2024年3月~12月の期間で実施される。

具体的には、オムロンが自社や顧客の製造現場で蓄積してきた制御技術とパートナー各社の技術を活かし、CFPの算出に加え、エネルギー使用量の削減とモノづくりの生産性や品質を高め生産量を向上させる「エネルギー生産性向上」を実現するプラットフォームの創出に取り組む方針。

また、国際標準に準拠した企業間データ連携を想定し、日本の製造業として初めて、グローバルデータ流通基盤「Catena-X」に接続する。各生産工程から自動収集した設備の稼働状況や電力をはじめとする生産現場データをクラウド上で管理し、1つの製品ごとのサプライチェーンにおけるGHG(Green House Gas:温室効果ガス)排出量を把握するための実証を行うという。

  • 実証実験の全体イメージ

    実証実験の全体イメージ

各社の役割

各社の役割としては、オムロンが、現場ノウハウと現場データの利活用を促進するエッジプラットフォームを用い、GHG排出量の見える化・削減を可能にする標準化プロセスの開発。NTT Comがセキュリティを確保したデータ流通など、IT側の技術基盤を提供する。

また、コグニザントジャパンはソリューションのシステム構築、ソルティスターは現場データの収集分析などOT(Operational Technology)側の技術基盤を提供する。

加えてアプリケーション提供企業として、TeamViewerジャパン、AVEVA、ウインドリバー、日本マイクロソフト、Arcstone Pteなども参加する予定。

オムロンは、今回の実証実験を通じ、各領域で強みを持つパートナー各社と共創することで、さまざまな製品サプライチェーンに応用可能なデータ収集の自動化やGHG排出量の算出方法の標準化、現場改善の効率化を目指す方針。