カウシェのシェア買いアプリ「カウシェ」は提供開始から3年を迎え、「宝探し」という新しいECモールに進化しようとしている。アプリの起動回数や滞在時間が増えたことに加え、訪問者の90%以上が商品を検索せずにアイテムを購入している。門奈剣平社長は「『宝探し』のような新しい購買動向が生まれている」と語った。
<楽しい体験が深化>
――2023年を振り返ってどうだったか?
ユーザーがアプリ内で商品を検索せずに、画面をスクロールしながらお得な商品を探すという「宝探し」のような動きが顕著に表れた。当社が作り続けている楽しいショッピング体験がさらに深化できた1年だったと感じている。
アプリのダウンロード数は150万件を超え、ユーザーによるアプリの起動回数や滞在時間、購買頻度なども増加傾向にある。なかには、1日3回アプリを起動する利用者もおり、ユーザー動向はより濃いものになってきた。
ユーザーの動きが変化している中で、カウシェとマッチする出品企業も変化している。
ウインドーショッピング感覚でアプリに訪れ、欲しいものに偶然出会うような非検索性の動きが台頭してきたため、検索による強みを訴求せずに価格と商品の質さえ整っていれば、自然に流通していく土台が整ってきた。
また、当社としても「カウシェ」内での人とモノの動きがある程度つかめてきた。宝探しの動向と、「カウシェ」内での需給バランスのデータをもとに、出店企業へ提案ができるようになった。
これらの結果、ECをやったことはないけれど、価格と商品の品質には自信がある出店者が増え、新しい出店企業もきちんと売り上げが取れるようになっている。
<買い取りを始動>
――2024年の施策は?
2023年は、1日に3回開催するゲリラセールなどの積極的な実施、アプリ内の農園で育てたデジタルの作物が収穫後に実際の商品として届くカウシェファーム機能の展開、みんなの投稿機能の提供、物流委託やカスタマーサポート代行など、「カウシェ」の付加価値を高める施策を投じてきた。
2024年は、今まで以上に出店企業に寄り添う対応を図り、ユーザー同士の交流の部分も強化していく。
新しい取り組みとしては、買い取りサービスを開始していく。すでにスモールスタートの形で進めている。ただ、具体的な仕組みや内容をどうしていくかについては現在検討で、関係各社と協議をしつつ詰めていく。