Intelは1月24日(米国時間)、米ニューメキシコ州リオランチョにある後工程製造拠点に新たに「Fab 9」を開設したと発表した。

Intelは、かねてよりニューメキシコ工場で3Dパッケージング技術「Foveros」などの先進的な半導体パッケージング技術の製造を目的とした35億ドルの投資を発表していたが、Fab 9建設はその一環だという。

  • 米ニューメキシコ州の最先端半導体後工程製造施設Fab 9

    米ニューメキシコ州の最先端半導体後工程製造施設Fab 9 (出所:Intel)

Fab 9は、Intelの3Dパッケージング技術の量産を担う最初の拠点という位置づけ。マレーシアでも3Dパッケージング量産施設を建設中であるが、Fab 9は、そのマザー工場の役割を果たすことになっている。

半導体業界が1パッケージ内で複数のチップレットを活用する異種集積時代に移行するにつれ、Foverosや「EMIB(組み込みマルチダイ相互接続ブリッジ)」などの高度なパッケージング技術によってムーアの法則は2030年以降も継続できるようになるとIntelは主張している。

Intelの3Dパッケージング技術であるFoverosは、コンピューティングタイル(チップレットのIntelの呼び方)を横に並べるのではなく縦に積み重ねたプロセッサの構築を可能にする技術である。また、Intelとファウンドリの顧客がコンピューティングタイルを組み合わせてコストと電力効率を最適化することもできるようになるともしている。同社の執行副社長兼最高グローバル運営責任者であるKeyvan Esfarjani氏は、「Fab 9は、最先端パッケージングの量産に対応した米国唯一の工場である。この最先端技術は、パフォーマンス、フォームファクター、設計アプリケーションの柔軟性の利点を顧客に提供してくれる」述べている。

また、このニューメキシコ工場への投資によって、州全体で数百人のIntel関連の雇用、ならびに3000人以上の建設関連の雇用、加えて3500人の間接雇用が創出されることになるという。

なお、Fab 9は建設廃棄物の少なくとも90%をリサイクルするという目標の達成に向けて順調に進んでおり、直近では2023年11月と12月に目標を上回ったという。Intelでは、ニューメキシコ州における電力使用量を100%賄うために再生可能電力の購入を進めているとするほか、ニューメキシコ流域の非営利主導の水再生プロジェクト3件にも資金提供を行っており、この活動を通して年間1億ガロン以上の水再生を行っているとする。