債務超過による上場廃止を回避するための改善計画を実施中の、紳士・婦人服を販売するタカキューは1月25日、地域経済活性化支援機構による再生支援を受けることを決定した。再生計画の中には、OMOの推進とECの販売拡大を盛り込んでいる。
タカキューの2023年2月期のEC売上高は、全社売上高の12.6%にあたる約15億円だったとしている。タカキューは、2024年3月末に第三者割当増資を行い、5月末までに債務超過の解消と、上場基準の維持を図るとしている。同社は1月25日、債務超過の解消策の実施に関連して、イオンとの資本提携の解消も発表した。
タカキューは2022年2月期において、新型コロナの蔓延を背景とした、実店舗の来店客の減少と営業不振などを理由に、8億7600万円の債務超過となっていた。2023年11月末時点においては、18億4500万円の債務超過に陥っていたとしている。
2024年2月末を猶予期間として、上場廃止の回避に向けた債務超過の解消を図っていた。
タカキューは1月25日、上場廃止の猶予期間の期限が迫る中で、イオンとの業務提携を解消。地域経済活性化支援機構による再生支援決定を受けることを発表した。
タカキューでは、債務超過状態の解消策として、アフターコロナの新常態を想定し、①オフィスカジュアル化によるカジュアルシフト ②中核であるスーツ・ドレスシャツの着実な販売 ③オーダースーツの比重の拡大 ④OMOの推進によるEC販売の拡大――を掲げている。
OMOの推進においては、「粗利率の向上、在庫・賃料・人件費削減に向けて、実店舗とデジタルを融合した売り場改革を行う」としている。「OMO店舗からのECへの誘導・定着強化、会員のEC活用促進によるEC売上高拡大を行う」ともしている。
こうした施策を実施するために、店舗の改装や真意出店が必要であると考え、地域経済活性化支援機構による再生支援を受けることを決定。同機構に対して、第三者割り当てによる事業戦略資金の調達を行うという。