「改正障害者差別解消法」、合理的配慮の提供が義務化 今年4月通販サイトの環境整備望む

2024年4月1日に「改正障害者差別解消法」が施行される。企業や店舗などの事業者には障害を持つ人への「合理的配慮の提供」が義務化される。

 

所管する内閣府は「合理的配慮の提供」について、個人や団体を問わずに障害者から事業者に対し、意思表示がある際に対応することを示す。通販・EC事業者では、例えば「オンラインでの手続きができない場合、申込用紙を郵送して対応する、支援する」「サイトの文字が読みづらいとあれば、読み上げる」などとなる。

 

今回の義務化では「ウェブアクセシビリティ」は含まれず、事前対応をしなくてもいい。4月1日までに運営するサイトなどを変更しないといけないと思っている事業者が多い。内閣府には事業者から、「4月までにシステム変更するのは難しい。罰則はあるのか」「ツールを導入する資金がない」などの問い合わせが寄せられているという。こうした問い合わせには、対応は努力義務であるが、法的義務ではないからといってそのままにせず、誰でも使用できる仕様に変更するなどの環境整備を進めることが望ましいとしている。

 

義務化に対応しなくても罰則はないとしているが、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」第12条においては、主務大臣が、改善が必要であると認めれば、事業者に対して「報告を求める」「助言をする」「行政指導が入る」ことが規定されている。求められても、「報告をしなかった」「虚偽の報告をした場合」は第3条において、20万円以下の科料に処される。

 

内閣府では「合理的配慮の提供」の義務化について、電話やメールで相談窓口を設けている。不明点などには個別に対応するとしている。