富士通とレッドハットは1月24日、パナソニックコネクトへビジネスアジャイル支援サービスを提供し、仮説検証型ビジネスへの変革を支援したことを明らかにした。両社は今後もパナソニックコネクトのDX(デジタルトランスフォーメーション)を継続して推進していく。
プロダクト企画サービスリリースまでのプロセスを変革
「ビジネスアジャイル支援サービス」は、2022年3月に合意した富士通とレッドハットの協業に基づいて提供するアジャイルコンサルティングサービスである。富士通とレッドハットのコンサルティング部隊で構成される支援チームが、プロダクトデザインからシステム開発、サービスリリースまでをトータルに支援する。
今回、パナソニックコネクトにおいては、まずはプロダクトデザインの進め方を支援し、ステークホルダーとビジネス部門の間での共通理解をスムーズに構築してプロダクトの提供価値を向上させたという。
開発フェーズにおいては、パナソニックコネクトが実施していたアジャイル開発手法の一種であるスクラムの現状と課題の把握からプロジェクトを開始。スクラムに必要なイベントの進行方法や使用しているツール、現場が感じている課題などについてヒアリングを行い、必要に応じてトレーニングやチーム構成の見直しを実施した。
また、ペアプログラミングやモブプログラミングなど、複数人で一つのタスクを実施する開発手法を導入し、タスクの属人化を防いで手戻りの削減と作業時間の短縮を実現している。
成果として、プロダクト企画から開発、サービスリリースまでのプロセスを大きく変革し、ビジネスを市場に提供するアジリティを向上できたとのことだ。
さらに、社内のリファレンスチームとしてノウハウを横展開できる状態を構築。パナソニックコネクトは仮説検証型ビジネスへの変革に向けて、今後は社内でのアジャイル人材の育成を強化し、各組織にアジャイルの技術と文化を展開していくとしている。
ビジネスアジャイル支援サービスによる変革の背景
2022年3月に富士通とレッドハットが協業を発表し、富士通が「ビジネスアジャイル支援サービス」を立ち上げてレッドハットの「Red Hat Open Innovation Labs」のコンサルティングノウハウとエンジニアリソースとを組み合わせてDXビジネスを展開することを明らかにしていた。
レッドハットは企業文化・組織、プロセス、テクノロジーの領域において、コンサルティング・サービス「Red Hat Open Innovation Labs」を2016年から提供している。両社は協業後にターゲット領域や顧客の特性に応じて有機的に適切な体制を組み、継続して市場展開を図っている。
パナソニックコネクトはBlue Yonderとのジョイントソリューションとして、ソフトウェアビジネスの一部の開発を進めてきた。開発当初は独自でアジャイル開発を進めていたようだが、開発スコープが広がり複数チームを独自で運営していく必要が出たため、富士通の「ビジネスアジャイル支援サービス」を活用したという。