熊本県荒尾市とNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は1月24日、GIGAスクール構想に基づき児童1人1台に配備された教育用タブレットを活用して、登下校中の児童の見守りを行う実証実験を開始することを発表した。

なお、この実証実験は国土交通省がデータや新技術による先進的な都市サービス実装に向けた事業を支援する「スマートシティ実装化支援事業」において採択され、取り組むものだという。

実証実験の概要

実証においては、荒尾市が児童1人に1台配備している教育用タブレットを活用して、登下校状況や現在地、行動履歴を把握する。登校エリアから外れた場合にはアラート通知を行うことで、見守りの有効性について確認する。実施期間は1月15日~2月9日。

実証では教育用タブレットからGPSで位置情報を取得する。また、NTTドコモのモバイル回線を通じて、NTT Comが提供する保護者・教職員向けスマートフォンアプリに、児童の現在地や行動履歴を表示。HR(ホームルーム)の開始および終了時のほか、通学路や校区から外れるなどした場合に通知する。

  • 実証実験の概要図

    実証実験の概要図

実証実験の背景

児童が登下校中に事故や事件に巻き込まれる事例は後を絶たない。警察庁によると、令和4年に交通事故に遭った児童の数は全国で330人で、うち約4割が登下校中に発生しているそうだ(出典:警察庁交通局「令和4年における交通事故の発生状況について」)。

また、児童が帰宅途中に居場所が分からなくなるケースなどにおいはて、児童を狙った犯罪や声掛け事案が発生する可能性も想定される。荒尾市では児童が安心して暮らせる街づくりを目指して、NTT Comと共に登下校中の児童の有効な見守り方法の検討を開始する。