【ECモールに聞く!2024年の戦略】『メルカリShops』藤樹賢司代表「2周年が経過、着実にサービス成長」

ソウゾウが提供するコマースプラットフォーム「メルカリShops」は2023年10月、2周年を迎えた。2年間で、最も高い月商を達成したショップは月商2400万円超を達成しているという。藤樹賢司代表に前期の振り返りと売り上げ好調なショップなどを聞いた。

――前期を振り返ってもらいたい。

事業者向けのサービスとして、「API」「CSV」といった受注在庫管理や商品登録機能を持ったプロダクトをリリースした。各ASP事業者との連携を深め、掲出商品の最大化を目指し成長してきた。

――今期の「メルカリShops」の状況や、さらなる流通額拡大のために何をしていくのか?

事業者ならではのカテゴリー解禁や事業者向けのサービス拡充に注力していく。メルカリアプリ内での拡大を狙っていく。

――現在、どのような企業が出店しているのか?

幅広い事業者が出店しているが、サービス開始当初から「食品」のニーズが高く、購入数ランキング1位、累計売り上げランキング2位となっている。

最近では「リユース事業者」「アウトレット事業者」など、トレーディングカードを初めとした「おもちゃ・ホビー・グッズ」の売り上げも伸びている。スマホを初めとした「家電・スマホ・カメラ」「ファッション」「スポーツ」の売り上げも伸びてきている。

――売り上げが伸びている事業者は?

詳細の事業者名をお伝えするのは難しいが、12月は食品の需要が大きく、CtoCとのカニバリ(顧客の奪い合い)もないため高い実績を出している。

「メルカリShops」全体としては、「メルカリ」同様にお得な商品の購入が多いため、「リユース事業者」「アウトレット事業者」の実績が高く出ている状況だ。

――「メルカリShops」で売れている事業者に共通していることは?

事業者は個人よりも商品点数が多く、商品登録、受注管理、在庫管理などの出品の手間が増える。「メルカリShops」では「APIの開放」「CSV機能」など、出品者が半自動でオペレーションできるシステムを持っている。

また、お得なものが売れやすい「タイムセール」「クーポン」といった「メルカリ」同様の機能もあり、今後も事業者に向けたサービスを拡充し、より利便性の高いシステムを提供していく。

――「メルカリShops」の立ち位置は、「メルカリ」とは別に考えているのか。相互送客も可能なのか?

共通のお客さまに対しワンアプリで商品提供を行っているため、メルカリのお客さまへの商品提供という部分では立ち位置は変わらない。「メルカリShops」は事業者メインの出店となっているため、安心安全に購入できる商品としてCtoCとの差別化はある。

特に食品や飲料などが良い例でCtoCでは出品が難しい商品の提供や、リユース事業者についても、大手のリユース事業者が出品しているため真贋(しんがん)鑑定なども実施している。

また、CtoCは1商品1在庫という出品が多くあるが、アウトレットなど在庫の奥行きを持つリピートにつながる商品の提供なども行っている。今後は事業者ならではのカテゴリーの解禁などお客さまに幅広く商品の提供を行っていくことにより、顧客満足度を上げていく方針だ。