MS&ADインターリスク総研は1月23日、企業の国内資産を対象とした気候変動下における風災リスク分析サービスを提供開始した。費用は、1拠点あたり49万5000円から。
求められる気候変動下での風災リスクの把握
気候変動の顕在化にともない、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)対応として企業は気候変動下における物理的リスクの評価を開示することが求められている。
新サービスの利用により、保有する拠点や今後進出する予定の拠点における気候変動下での風災リスクを定量的に把握でき、TCFD開示対応への利用が可能という。
気候変動下における風災リスク分析サービス概要
同サービスでは、大手自然災害リスク・モデリングを行う米Moody's RMSと協働で、日本国内を対象とした気候変動下における風災リスク分析を実施する。
商業拠点や工場・倉庫などの建物といった固定資産に加え、商品・在庫品等といった棚卸資産も対象に、気候変動下における台風による強風が引き起こす被害想定額を算出する。
また同サービスは、ユーザー企業の将来の設備投資戦略でも利用も可能という。将来設備投資を想定している候補拠点に対して気候変動下における自然災害の発生による損害や財務への影響の事前把握は、設備投資の計画を策定する上で重要としている。
同サービスにおける分析対象年は、現在気候、2030年、 2050年、2100年。対象とする気候変動シナリオは、RCP(代表濃度経路シナリオ)2.6(SSP(共有社会経済経路シナリオ)126相当)、RCP4.5(SSP245相当)、RCP6.0(SSP370相当)、RCP8.5(SSP585相当)の4パターンにて算出可能。分析に必要なデータは位置情報(緯度経度)、資産価額(建物・内容物別)、建物概要情報(物件種別、構造、用途、建築年、階数など)。
成果物は、現在気候および、気候変動下における再現期間別の被害想定額、年間期待損失額を記載した数値報告表および、分析手法の概要説明資料。なお、これらの資料をユーザー企業へ納品すると共に、分析結果を説明するとのこと。