三菱電機とHACARUS(ハカルス)は1月22日、AI外観検査事業の拡大を目指して協業契約を締結することを発表した。これに伴って、両社の一層の関係強化のために三菱電機はHACARUSに出資する。
協業契約により両社のシナジーを最大化
三菱電機はHACARUSの保有する知見やノウハウを活用して、自社のFA(Factory Automation)機器や各種ソフトウエアと融合させることにより、AI外観検査領域における「MELSOFT VIXIO(メルソフト ヴィクシオ)」の販売拡大を目指す。
一方のHACARUSは、三菱電機が持つ国内外の販売網とFA機器を活用して、自社の外観検査システムの販売拡大を図るという。両社は今回の協業契約に基づいて、経営資源や技術的強みを生かしてシナジーを最大化し、製造現場における外観検査工程のさらなる自動化と省人化に貢献するとのことだ。
両社が発揮する強み
三菱電機はFAシステム事業において、製造現場のデジタル領域への対応を強化しており、循環型デジタル・エンジニアリングの実現を進める。設計から製造、試験、運用保守などの各工程で自動化やデジタル化を実現するために、それぞれの領域に強みをもつソフトウェア会社に対し出資や協業を進めてきたという。
同社は外観検査工程における自動化を促進するため、自社製AIである「Maisart」を搭載したAI外観検査ソフトウエア「MELSOFT VIXIO」を2023年12月に発売しているが、今回は外観検査事業の強化のためHACARUSとの協業を進めるとのことだ。
HACARUSは独自の軽量なAIを搭載したAI外観検査ソリューション「HACARUS Check」などを手掛けており、AIの開発技術に加えてAIと各種FA機器の連携や製造現場への導入にも豊富な知見を持つ。今後は製造現場の品質や生産性の向上を目指したソリューションの開発をさらに進めるという。