ユニバーサルロボット(UR)は1月18日、大久保歯車工業がURの協働ロボット「UR10e」を導入したことを発表した。
大久保歯車工業では従来、人手を増やすことで生産増に対応していたが、近年の少子高齢化などに伴う人手不足に伴って人材を確保することが難しくなってきていることから自動化・省人化に取り組むことを決定。従来型の産業用ロボットでは大掛かりな安全対策が必要で、設置スペースを確保することが難しかったが、URの協働ロボットの柔軟性や自力でシステム構築も可能な点に着目する形で自動化プロジェクトに着手したという。
同プロジェクトでは、現場の担当者が自動化できそうな工程の洗い出しを実施。歯切り加工前後の工程を対象に選定した後、一連の工程の自動化をシステムインテグレータなど外部の専門家の協力を得ずに経験ゼロの状態の作業員が5か月間で実行したという。
歯切工程では従来7台の設備に対して2名体制で作業を行っていたが、協働ロボットの導入により1名の省人化に成功したほか、2名体制の時の交替時や昼休憩時に発生していた設備の遊休時間も解消され、稼働時間を増やすことができるようになり、結果として生産性が30%向上。同社では人海戦術で生産増に対応する体制からの変革を図ることができたとしている。
なお、ロボットシステム構築を担当した同社の歯車製造部 製造二課でアシスタントマネージャを務める新田誠氏は「ロボットを扱うのは初めてだったが、URが提供している無料のオンライントレーニング『URアカデミー』や実機を使う『コアトレーニング』で基本動作を学び、日々製造部で仕事する傍ら、自席の前にロボットを置き常に触る習慣を付けて取り組んだ」と述べている。