工場の現場作業を支援する画像認識ソフトウェア「Ollo Factory」を展開するOllo(オロ)は1月22日、弥生の前代表取締役 社長執行役員である岡本浩一郎氏が取締役会長に就任したことを明らかにした。経営体制の強化が目的だとしている。

工場向けの画像認識ソフトウェアを手掛けるOllo

Olloは2019年2月に創業。東京大学松尾研究室のメンバーを中心とするAIスタートアップ企業で、工場での作業をカメラ映像から解析する画像認識ソフトウェア「Ollo Factory」を手掛ける。

同サービスは、組み立て作業をはじめとする人の作業をAIによって自動で解析可能だ。動画をアップロードして、1サイクルの開始点と終了点を指定するだけで、AIが動画に含まれるすべてのサイクルを自動で分析するという。

多量の学習データを用いなくても利用開始可能で、作業のばらつきや抜け、ムダなどをスピーディーに発見し、作業効率を向上させるなど現場の生産性を支援する。

  • Ollo Factoryの画面イメージ

    Ollo Factoryの画面イメージ

岡本氏がOlloの取締役会長に就任

岡本浩一郎氏は1969年3月生まれ。1991年3月に東京大学工学部を卒業し、野村総合研究所に入社。2008年4月に弥生の代表取締役社長に就任し、以降もコンピュータソフトウェア協会の理事やソフトウェア協会の副会長を務めた。2023年3月に弥生の社長を退任していた。

  •  岡本浩一郎氏

    岡本浩一郎氏

今回の会長就任に際し、岡本氏は以下のようにメッセージを発表している。

私はソフトウェア・エンジニアとしてキャリアをスタートさせて以降、これまで約30年間、一貫してソフトウェアに関わる仕事に携わってきました。2008年から15年にわたり、日本を代表する会計ソフトウェアプロバイダーである弥生株式会社の社長として、企業価値の大幅な向上を実現しました。また、過去5年以上にわたって、ソフトウェア協会の理事(現 副会長)として、ソフトウェア業界の発展に力を尽くしてきました。

この間、ソフトウェアは社会を大きく変える原動力となり、2011年には著名なソフトウェア・エンジニアであり投資家でもあるMarc Andreesen氏が“Software is eating the world.(ソフトウェアが世界を飲み込む)”と宣言しました。

しかし、時代は今、“AI is eating the world.(AIが世界を飲み込む)”にシフトしつつあります。近年のChatGPTをはじめとするAIの飛躍的な進歩は、人間の社会を格段に変化させる可能性があります。この変革期に、私の経営の経験とソフトウェアの知見を、日本のAI技術であり、ひいては日本社会の発展に活かせないかと考え、今回のお話しをお引き受けすることにしました。

株式会社OlloはAIの力で製造業の現場を圧倒的に効率化します。私は、創業者である代表取締役CEOの川合 健斗とともに、AIの力によって、日本の、そして、世界中の製造業を大きく進化させることに貢献したいと考えています。