Amazon Web Services(AWS)は1月19日、日本でのクラウドサービスに対する需要の拡大に対応するため、2023年から2027年までに東京と大阪のクラウドインフラに2兆2,600億円を投資する予定だと発表した。
国内のクラウド活用に貢献してきたAWS
アマゾンウェブサービスジャパン 代表執行役員社長 長崎忠雄氏は、「データセンターのリージョンは現在、33カ所に拡大しており、今後も4カ所の開設を計画している。日本には東京と大阪の2つのリージョンがあるが、米国以外で2つのリージョンを持ったのは日本が初」と語り、AWSがグローバルの中でも日本に対する投資を重視していることを強調した。
また、長崎氏は「当社のクラウドが多くの一般企業に加え、公共セクターでも多岐にわたり使ってもらっている。また、ガバメントクラウドにも選ばれている。政府は2018年にクラウドバイデフォルトの原則を発表したが、この流れがどんどん加速している」と、国内のクラウドサービスに対するニーズの高まりを紹介した。
AWSの2011年から2027年までの日本への投資
AWSは2009年に日本で最初のオフィスを開設、その後2011年に東京リージョンを、2021年に大阪リージョンを開設した。そうした中、同社はこれら2つのリージョンに関して、データセンター群の建設、ネットワーク、運用、保守のために2011年から2022年にかけて1兆5,100億円を投資した。
この投資による日本のGDPへの効果は1兆4600億円、雇用創出は年間7100人以上の雇用創出と推計されている。
そして今回、2023年から2027年の5年間にわたり、2つのリージョンのクラウドインフラに対し、2兆2,600億円を投資する予定であることが発表された。
投資計画が発表されたのは初めてのことだという。その理由について、長崎氏は次のように語った。
「日本はテクノロジーの波がきているうえ、生成AIを使う機運が高まっており、タイミングがよかった。各国で行っていることだが、投資計画を発表することで、日本という国にコミットして貢献しているというメッセージを伝えたい」
AWSが日本にもたらす経済効果に関するレポートによると、今回の投資計画は日本のGDPに5兆5,700億円貢献し、国内で年間平均30,500人以上の雇用を支えると見込まれている。
2011年から2022年までの投資額と合計すると、AWSの国内におけるクラウドインフラへの総投資額は、2027年までに約3兆7,700億円に達する見込みとなる。
AWSの投資がもたらすメリット
AWSは日本への投資について、「AWSの経済効果に関するレポート」として公開している。今回、2022年に発行された同レポートがアップデートされた。
レポートでは、同社の日本に対する投資は経済効果として、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速への貢献を挙げている。
DX推進においてはデジタル人材がカギとなるが、長崎氏は、AWSがデジタル人材育成に継続的な投資を行っているとして、人材育成に注力してきたことをアピールした。