ルネサス エレクトロニクスは1月16日、64ビット汎用MPU「RZ/Gシリーズ」として、IoTエッジデバイスやゲートウェイ機器向け製品「RZ/G3S」を発売したことを発表した。
同製品は、メインCPUとして最大動作周波数1.1GHzのArm Cortex-A55コアを搭載しているほか、サブCPUとして250MHz動作のCortex-M33を2コア搭載。サブCPUでセンサからのデータ取得やシステム制御、電源制御などの処理を行うことで、メインCPUの負荷軽減が可能となり、システム全体の部品点数とコストの削減や機器の小型化を図ることができるようになると同社では説明している。
また、10μW以下まで消費電力を低減できる電源制御システムを新たに開発。同システムでは、DRAMデータを保持するためのDDRセルフリフレッシュ機能をサポートしており、Linuxの高速起動との両立を可能としており、これにより間欠動作の多いIoT機器の低消費電力化を図ることができるようになるとしているほか、40mWクラスの消費電力でサブCPUの動作を維持できる待機モードも用意しているため、アプリケーションの動作仕様に応じた消費電力の最適化設計が可能だともしている。
さらに、IoTゲートウェイ機器に向けた機能強化として、ギガビットイーサネットやCAN、USBなどに加えて、PCI Expressインタフェースを搭載しており、5G通信モジュールなどを接続することで、ギガヘルツクラスの高速通信も可能だとしている。
なお、同製品はすでに量産を開始しているほか、ウィニング・コンビネーションとして、同製品に最適化されたパワーマネジメントICやクロック製品を組み合わせた「シングルボードコンピュータゲートウェイ」ソリューションも開発済みで、これを用いることでユーザの設計リスクを低減しつつ、市場投入までの時間を短縮しることを可能としているとする。