ライズ・コンサルティング・グループCEO 北村 俊樹「大手コンサルティングファームに負けない人材の質で勝負!」

上場の狙いは何か?

 ─ 2023年9月に東証グロース市場へ上場したライズ・コンサルティング・グループですが、改めて、上場した狙いから聞かせてもらえますか。

 北村 上場から約3カ月が経って、やはり、上場企業としての責任というものを今一度強く感じています。

【2024年をどう占う?】答える人 フューチャー会長兼社長・金丸恭文

 特に、当社は多くの大企業が成長するためのコンサルティング支援を行っている会社です。

 ですから、われわれ自身が社会に対して認められ、きちんと企業価値を向上させる会社でないと、お客様にも説明責任がつかないと言いますか、同じ土俵に立ってお話ができないと以前から思っていましたから、今回の上場を機に社会的な信用というのは、ある程度認めていただけたのではないかと思っています。

 ─ 基本的にターゲットは大企業になるのですか。

 北村 はい。大企業だけにこだわっているわけではありませんが、普段からコンサルティング会社を使うのは大企業が中心になっています。われわれもここでコンサルティングのフィーを安定的にいただくことで、経営を安定化していこうと考えています。

 その上で、やはり日本全体を見れば、地方や中小企業、スタートアップにはまだまだお困りごとがありますし、これから未来のある企業が沢山あります。

 ですから、これからはそういうところにもご支援の幅を広げていきたいですし、そこにあった支援の形態を考えていきたいと思っています。

少数精鋭で質を担保しながら成長していく

 ─ コンサルティング会社も数多くあるわけですが、ライズ・コンサルティング・グループの強みはどんなところになりますか。

 北村 コンサルティング業務というのは、特定のプロダクトがあるわけではありませんし、無形サービスとしての伝え方の難しさはあるのですが、いろいろな企業の事業戦略を考えたり、業務改革をしたり、ITの導入支援をしたりといったことは大前提として幅広くやっています。

 分かりやすいところでいくと、例えば、脱炭素やカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)のような領域は、大手のコンサルティングファームさんと比較しても、かなりの優位性を持っているのではないかと考えています。

 ITなどの技術的な知見を持っている社員もいるのですが、やはりベースはコンサルティングの会社ですから、まずはお客様の経営課題をきちんと特定し、それに対して、物事をロジカルに構造化し、いろいろなリサーチをしながら新しい示唆を与える、そこで価値を発揮するというのが多いですね。

われわれは大手のコンサルティングファームと比較して、相対的な価格優位性があることと、人材の質は負けていないというのをウリにしています。

 初めは小さくてもいいので、一度お客様に入り込むことができれば、お客様に価値を分かっていただけます。お客様からみても、よりリーズナブルで、より現場に根付いて価値を出してくれるコンサルティング会社の方がいいですよね。そういう価格戦略のもとで、大手コンサルティングファームと戦っていこうと思っています。

【2024年をどう占う?】答える人 三井物産会長・安永竜夫