アドビは1月9日、米国の2023年11月1日から12月31日までのホリデーシーズンのオンラインショッピングデータを発表した。
オンライン売上高は、前年同期間比4.9%増の2221億ドルとなり、過去最高値を更新した。アドビ担当者は「当社が調査を開始した10年以上前からの最高額」とした。
オンライン売上高は、同社の分析ソリューション「Adobe Analytics(アドビアナリティクス)」を通じて集計した。米国小売サイトへの1兆回以上の訪問、1億個のSKU、18の製品カテゴリーから得られたデータに基づいているという。
<大幅な値引きも影響>
2023年11月のオンライン売上高は、前年同月比6%増の1235億ドル。感謝祭からサイバーマンデーまでの5日間(11月23日~27日)の売上高は前年同期間比7.8%増の380億ドルと伸長した。
サイバーマンデー以降も値引きが継続した12月の売上高は前年同月比3.7%増の980億ドルに達した。
一方、主要なEコマースカテゴリー全体で、値引き額も過去最高を記録した。
後払い決済によるオンライン売上高も過去最高を記録し、前年実績を21億ドル上回る166億ドルになった。
23年11月は、後払い決済が最も多く利用された月とし、前年同月比17.5%増の92億ドルだった。最も多く利用されたのは、サイバーマンデー(11月27日)で前年同日比42.5%増の9億4000万ドルとなった。
オンライン売上高の製品別の内訳は、エレクトロニクスが508億ドル、アパレルが415億ドル、家具が273億ドル、食料品が191億ドル、玩具が77億ドルとなり、5つのカテゴリーが成長をけん引した。
<3つのトピックス示す>
アドビは今シーズンの特徴について、「モバイルショッピングがデスクトップを上回る」「商品の駐車場受け取りサービスは依然として人気」「小売企業のマーケティング投資」の3つのトピックスを提示した。
「モバイルショッピングがデスクトップを上回る」では、オンライン販売の51.1%がスマートフォン経由となった(2022年は47%)。
モバイルショッピングの利用は、12月25日のクリスマスが最も高く63%となった(22年は61%)。多くの消費者が友人や家族と過ごす中、スマホを使用し駆け込みでお買い得品の購入やギフトカードを利用したという。
特徴の1つに挙げられている「商品の駐車場受け取りサービスは依然として人気」は、この仕組みを提供できる小売企業において、ホリデーシーズンのオンライン注文の18.4%を占めたとしている(2022年は21%)。
オンライン注文の5件に1件が駐車場受け取りを利用した。特に、スピードと利便性を重視する買い物客に価値を提供し続けていると指摘した。
「小売企業のマーケティング投資」については、ホリデーシーズン中の売り上げを最もけん引したのは検索連動型広告だったと説明している(オンライン売り上げの29.4%)。
次いで、ダイレクト流入(オンライン売り上げの19.3%)、アフィリエイト/パートナー経由(同16.6%)、オーガニック検索経由(同15.9%)、電子メール(同15.3%)などとなった。
SNSに直接起因する売り上げは、ホリデーシーズン売上高の5%未満だったが、この割合は、前年比では5%増になったとしている。