サーバーワークスは1月17日、男性エンジニアの育休に関する調査結果を公表した。同社ではエンジニアを中心として働き方に関するさまざまな調査を実施し、新しい時代の働きやすさについて考察していく「働き方ラボ」を立ち上げている。今回の調査は、2023年12月1日~同8日の期間で全国に住む20歳以上の企業に勤める子どものいる男性エンジニア261人を対象に実施、育休に関する調査内容をまとめたものとなる。
育休を取得する男性エンジニアは30%以上
調査結果によると、育休の取得経験および取得予定について尋ねたところ、取得済みおよび取得予定の男性エンジニアは32.6%となった。厚生労働省の「令和4年度雇用均等基本調査」における男性育休取得率は17.13%で、今回の調査におけるエンジニアの男性育休取得率は一般の男性育休取得率を上回る状況となった。
また、育休を取得済みもしくはこれから取得予定の回答者に取得期間を尋ねたところ、最も多かったのが1週間以上2週間(14日)未満で36.5%、取得期間が1カ月未満の男性エンジニアは73%となった。
2022年度から年1回の公表が義務づけられた従業員1000人を超える企業などのうち、調査に答えた1400社あまりの対象企業の男性育休取得日数の平均は46.5日であり、一般的に取得率が高い傾向にある規模の大きい会社の従業員を対象にした調査と比較すると、取得期間は短い結果となった。
また、育休を取得済みの方に取得してよかったと思うかを聞いたところ、98.2%の回答者が「そう思う」と回答している(「とてもそう思う」が78.2%、「ややそう思う」が20%)。
育休を取得したくても組織の体制が許さない場合も
一方で、育休を取得しなかったおよび予定がないという回答者における取得しなかった背景としては「取得したかったが状況が許さなかった」が55.7%、「取得したくなかった」が44.3%となり、半数以上の人が取得の意向があるものの、外的要因によって取得することができなかったことがわかったという。
「取得したかったが状況が許さなかった」の理由を尋ねたところ、最も多かったのが「職場の雰囲気」で36.1%、次いで「会社の制度が整っていない」で27.8%となり、「収入が下がる」や「キャリアに影響が出る」といった個人的な背景よりも、所属する組織の体制がネックになっていることがうかがえるとのことだ。
さらに、育休を取得する環境が整っているとして、どの働き方が理想か選択式で質問したところ、最も多かったのは「育児休業給付が受けられるギリギリの期限まで育休を取得したい」が37.5%、続いて「育休を取得しない、もしくは数日で復帰し、育児をしながらオンラインの在宅勤務で働きたい」が16.1%となった。
加えて、厚生労働省が3歳までの子どもがいる社員がオンラインで在宅勤務できる仕組みの導入を省令で企業の努力義務とすると発表している背景から、子どもが3歳になるまでオンラインでの在宅勤務を希望するかどうかを尋ねたところ、73.6%の人が「希望する」と回答。
そのうち「仕事中保育所に預けられなくても希望する」が41.4%、「仕事中保育所に預けられるなら希望する」が32.2%だった。
今後、働き方ラボでは今回の調査を年代や収入などさまざまな属性ごとに分けて追加分析し、公表を予定している。