東京商工リサーチは1月15日、2023年の人手不足に関連した倒産の調査結果を公開した。同調査は、2023年の全国企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「人手不足」関連倒産(求人難・従業員退職・人件費高騰)を抽出し、分析したもの。

2023年の「人手不足」関連倒産の状況

同社によると、2023年の「人手不足」関連倒産は、158件(前年比154.8%増)で、2年連続で前年を上回ったという。前年の62件から2.5倍と大幅に増え、これまで最多の2019年の156件を超えて最多を更新した。

「人手不足」関連倒産の内訳は、「人件費高騰」が59件(前年比742.8%増)と最も多く、これに、「求人難」の58件(同114.8%増)、「従業員退職」が41件(同46.4%増)と続く。

同社は同日、2023年の全国企業倒産状況も発表している。これによると、倒産件数は前年比35.18%増の8,690件、負債総額は前年比3.05%増の2兆4,026億4,500万円とのこと。倒産全体に占める人手不足関連の割合は約1.8%。

産業別人手不足関連の倒産の状況

産業別では、10産業のうち、農・林・漁・鉱業と金融・保険業、不動産業を除く、7産業で前年を上回った。最多は、サービス業他の55件(前年比129.1%増、前年24件)。これらのうち、飲食業(5→16件)、生活関連サービス業,娯楽業(1→12件)などで前年を上回った。

これに、2024年問題が間近に迫る運輸業が38件(同533.3%増、前年6件)、コロナ禍前から慢性的な人手不足に陥っていた建設業が29件(同107.1%増、同14件)が続いている。

  • 「人手不足」関連倒産 産業別(1月-12月)引用:東京商工リサーチ