【ECモールに聞く!2024年の戦略】『ヤフーショッピング』畑中基執行役員「足元は確実に変化、2024年はLYPで復調へ」

LINEヤフーは2024年、「LYPプレミアム」を武器にECモール「ヤフーショッピング」の流通額を拡大する計画だ。LINEヤフーで「ヤフーショッピング」の責任者を務める畑中基執行役員に、現在の「ヤフーショッピング」の状況と、2024年の事業計画などについて聞いた。

<足元は確実に変化>

――2023年の初頭は、「ヤフーショッピング」の流通額が前年を下回っていたと思うが、現在(取材時2023年12月時点)ではどうなのか?

2023年11月に「超PayPay祭」を開催し、足元に関しては確実に変化してきている。LINEヤフーは「超PayPay祭」の期間中、「ヤフーショッピング」などの各サービスにおいて、お得なキャンペーンを実施した。

「ヤフーショッピング」では、いつ買っても「PayPay」で支払うと毎日5%たまる(上限あり)だけでなく、11月1~28日までを8日までを「ヤフーショッピング」の「超PayPay祭」キャンペーン期間とし、26~28日の最終3日間は事前の買い物などの条件を満たすと、最大24.5%の「PayPayポイント」を付与した。

家電や食品、日用品などの有名ブランドの目玉商品などを最大70%オフで販売する「24タイムセール」も実施し、顧客にしっかり還元し、お得さを提供できるように努めた。2023年の終盤は変化の兆しが現れ、2024年につなげられる準備が整ってきた状況だ。

2023年の上半期に関して言うと、本当に出店者(ストア)の皆さまには申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

LINEヤフーとして「ヤフーショッピング」において、従来行ってきたポイントを還元した販促ができにくくなった。ポイント還元の上限を変更したりしたが、結果として商品が売れにくくなってしまい、ストアの皆さんには迷惑をかけてしまった。

ストアの皆さんからも厳しい声を頂いたが、それも当然のことだ。2024年こそはストアの皆さんの期待に応えたいと思っている。

<「LYPプレミアム」が鍵を握る>

――2024年の「ヤフーショッピング」における施策について聞きたい。

グループとして力を入れている「LYPプレミアム」が鍵を握る。「LYPプレミアム」は「LINE」の特典と「ヤフー」関連の特典が利用できる月額制サービスだ。

「LINE」においては、1200万種類以上の対象スタンプが使い放題、「ヤフーショッピング」においては、「ヤフーショッピング」の買い物で「PayPayポイント」が毎日7%たまる。とにかく登録すると、お得な特典を受けることができる。

LINEヤフーとして2024年は、「LYPプレミアム」の会員数増加とお得であることの周知徹底に努めていく。「『LYPプレミアム』に入るとメリットあるよね」「お得だよね」「うれしいね」と思ってもらえるサイクルを回していく。

――「ヤフーショッピング」において、「LYPプレミアム」は重要とのことだが、消費者の感覚を見ると、まだ「LYPプレミアム」の認知が足りない印象を受ける。その点はどう捉えているか?

確かに認知は足りていないと思う。「LINE」や「ヤフー」で、「LYPプレミアム」のことやクーポンのことをきちんと伝えていって、会員になってもらうことを目指す。まだまだこれからだ。

――テレビCMなども放送していくのか?

現時点で2024年中に100%放送するとは断言できない。だが、今後議論していくテーマであることは間違いない。

――現時点で言える「LYPプレミアム」のキャンペーン内容はあるか?

2024年1月中旬から毎週日曜日にLYPプレミアム会員限定で「PayPayポイント」を10倍還元するキャンペーンを実施する予定だ。これは以前行っていたソフトバンクユーザーに限定したキャンペーンと類似するものだ。それを復活させる計画がある。

さらにお得なキャンペーンを展開して、「LYPプレミアム」の会員数増加と「ヤフーショッピング」の利用者数、流通額の増加につなげていきたい。

――消費者のオフライン回帰などにより、ECで商品を購入する人も頭打ちになりつつある。貴社は即配サービス「ヤフーマート」も展開しているが、影響があるのではないかと感じている。「ヤフーマート」の現在の状況などについて聞きたい。

今までは面を取っていこうというところから、現在は経済合理性を見直して体質改善をしている。一度購入した人の定着率は高く、一定のニーズ、伸びしろもあるため、今後も都市部を中心にサービスを展開していく。出前館と力を合わせていく。