被災前の生産能力に近いレベルへの復帰目標を2月上旬に設定した東芝デバイス&ストレージ
東芝の子会社である東芝デバイス&ストレージは1月12日、令和6年能登半島地震における同社子会社の加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)の事業活動への影響についての第4報を発表し、被災前の生産能力に近いレベルへの復帰時期を2月上旬目標と定め、引き続き広範囲で破損したクリーンルームの排気配管の修復を行い、製造装置立ち上げを進めていることを明らかにした。地震で破損した石英製部材については、主力ライン分に関しては必要数量をほぼ確保したとするほか、引き続き全数量の確保に努めていくとしている。
また東芝デバイス&ストレージは、神奈川県川崎市の同社本社に対策本部を設置し、今後も情報収集とその対応・対策にあたるとしているほか、顧客への製品納入に対する影響については、同社営業部門が個別に対応するとしている。
加賀東芝エレクトロニクスは東芝グループのパワー半導体およびディスクリート半導体の製造拠点で、300mmウェハに対応する新たなパワー半導体製造棟については2024年度中の稼働を目指した第1期工事中で、製造はまだ始まってはいなかった。既存の製造棟としては、200mmウェハに加えて、2022年度下期より300mmウェハを用いたパワー半導体の生産が行われてきたが、今回の地震でこれらのファブが影響を受け、操業停止状態となっている。
断水や停電などの影響もあり操業再開のめどが立たない石川サンケン
なお、サンケン電気も1月12日、今回の地震の影響に関する情報を更新し、子会社の石川サンケンが保有する3工場(堀松工場、志賀工場、能登工場)の被害状況や復旧活動について次のように報告している。
- 建物に対する安全確認を引き続き行っており、各設備メーカーから派遣された技術者により製造装置の専門的な確認や修理対応も始まっている
- 工業用水確保については、水インフラの復旧に向け各自治体と交渉を続けている
- 志賀工場は停電が継続しているが、電力インフラの復旧に向け電力会社と交渉するとともに、外部からの電源供給の検討も進めている
- 製品在庫の確認作業も併行して進めており、品質確認が終了したものから順次出荷を行う予定である
- 今後、水インフラや電力インフラが復旧次第、生産再開を速やかに行えるよう準備を進めていく