【2024年をどう占う?】答える人 クリーク・アンド・リバー社会長(東京ニュービジネス協議会会長)・井川幸広

NBCの会員と海外の若き経営者を結び付けていきたい!

 ─ クリーク・アンド・リバー社会長の井川幸広さんは東京ニュービジネス協議会(NBC)の会長ですが、ベンチャー企業の環境をどう見ますか。

 井川 NBCの会員数は東京だけで800社を超え、24年3月頃には1000社に達すると思います。これまで「メンバー・ファースト」の精神で会員同士の交流やNBCを土台とした会員企業の活性化を進めてきました。今は海外で頑張っている日本人のベンチャー経営者がたくさんいます。彼らをどう結び付けるかが24年の課題です。

 ─ どんな人がいますか。

 井川 アフリカのナイロビでビジネスをしている36歳の経営者は6回失敗して7回目に成功し、米ナスダック上場を目指しています。タンザニアでは千代田区の約1.8倍の土地を購入して農園を運営し、オリジナル商品を作っている経営者もいます。世界中に馬力のある若い日本人が結構いるのです。

 ─ 海外にもNBCのような組織があるのですか。

 井川 これから作る予定です。シンガポールや韓国、台湾、ロンドン、シリコンバレー、アフリカで準備を進めています。NBCには1つの味を100年守り続けている会社もありますから、彼らにとっても海外の経営者と結びつけば海外に販路を広げるきっかけになります。

 ─ NBCと会社の24年の方向性を聞かせてください。

 井川 NBCにはスタートアップ企業から何十年、100年といった歴史を持つ企業があります。しかし、彼らはまだ海外にどうやって販路を持つかにまでイメージができていません。

 NBCとしては、とにかく海外からも情報が入ってくるようなチャンネルを作っていきたい。会員がNBCに入ることで自社の売り上げ増や成長につながっていくことができるような年にしたいと思っています。

 また、クリーク・アンド・リバー社とグループは足元で全29社になりました。チャンスがあれば新たなビジネスに挑戦できる新会社をどんどん作っていきたいと思っています。

 当社の営業資産は「人」です。当社の事業はテレビやゲームなどの制作や人材サービスが主力になりますが、これらの事業の肝は経営者をどう育てるかに行き着きます。これは別に総合職でなくても構いません。私もそうでしたが、ディレクターであったり、研究者でも構わないわけです。

 当社には約36万人超のプロフェッショナルがいて約4万8000社のクライアント企業がいますから、その中から意欲・覚悟を持っている人たちがリーダーになれば、その事業も成功し、お客様から「ありがとう」と言ってもらえます。それが成功への勝ち筋だと思います。