シノプスは1月12日、トーマツからの再委託により、需要予測型自動発注サービス「sinops-CLOUD」を活用した販促商品などのリードタイムの延長や発注業務DX(デジタルトランスフォーメーション)の実証実験を実施していることを発表した。
今回の実証実験は、経済産業省がトーマツに委託している事業「令和5年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(販促商品等のリードタイムの延長、物流レジリエンスの向上に向けた小売業の在庫管理・発注業務のDX)」によるもので、2023年10月から生活協同組合コープさっぽろが運営する店舗および北海道ロジサービス(HLS)が運営する物流センターにて開始されている。
実証実験の内容
実証実験は、北海道内でスーパーマーケットを運営しているコープさっぽろの店舗およびHLSの運営する物流センターにて、新商品と販促商品の小売りから仕入先への発注確定日を前倒しする、納品リードタイム(納品LT」)長期化の実証実験を行うもの。従来3~7日程度であった納品LTを2週間程度まで長期化させるという。
小売店舗では、納品LTを延長した場合、欠品や過剰在庫の発生が懸念事項となっているが、今回の実証実験ではsinops-CLOUDによる需要予測データを活用し、欠品・過剰在庫の発生を極小化しつつ、納品LTを延長する実証実験を行う。
納品LTを長期化することで、卸売業の特売期間中の追加発注の対応に向けた在庫調整業務の負荷軽減、物流センターの過剰在庫や欠品の防止、物流の効率化が期待できるほか、曜日ごとにバラつきがある発注量を平準化することでトラック配車の効率化に関する実証実験も実施予定だという。
今後は、実証実験前後のコープさっぽろおよびHLSより、卸売業などの計測データを取得し、実証実験の効果測定を行う方針。同社の流通業向け需要予測型自動発注サービスのノウハウ・経験を生かし、流通業界の課題に対する新たなアプローチ方法を提案することで、効率性向上に寄与できるよう、同実証実験を推進していく構え。