SEMIがSEMI技術コミュニティのESD Allianceが発行した最新の電子設計市場データ(EDMD)に基づき、2023年第3四半期の電子システム設計(ESD)市場が前年同期比25.2%増の47億240万ドルとなったことを発表した。また、直近4四半期とそれ以前の4四半期を比較する4四半期移動平均は13.8%上昇したとしている。
ESD Allianceには、世界中のESD関連企業28社が加入している。本社所在国別で見た内訳は、米国がSynopsysやCadence Design Systems、Siemens Digital Industries Software(旧Mentor Graphics)など20社、中国が4社、日本、ベルギー、カナダ、スイスが各1社となっている(日本の加入メンバーは図研)。調査対象としている28社の同四半期の従業員数は前年同期比10.6%増、前四半期比1.0%増の5万9737人としている。
同四半期のESD市場をカテゴリ別で見るとコンピュータ支援エンジニアリング(CAE)の売上高が前年同期比22.4%増の16億5750万ドルとなったほか、ICフィジカル設計および検証が同45.3%増の9億450万ドル、プリント基板(PCB)およびマルチチップモジュール(MCM)が同23.6%増の4億2610万ドル、半導体IP(SIP)が同22.1%増の15億7590万ドル、サービスが同3.9%減の1億3830万ドルとなっている。
最大の成長率を達成したのは日本地域
地域・国別で見ると、米国が同22.8%増の19億8410万ドル、アジア太平洋地域(APAC)は同28.1%増の18億5800万ドル、欧州・中東(EMEA)は同21.5%増の5億5110万ドル、そして日本は同30.5%増の3億930万ドルとなっており、日本がもっとも高い伸びを示した。ただし、4半期移動平均については9.4%増と、米国の11.2%増、APACの17.8%増、EMEAの13.4%増に対してもっとも低い伸び率となった。
ESDレポートのエグゼクティブスポンサーであるウォルデン・C・ラインズ氏(Mentor Graphics創業者)は、「電子設計自動化ツール(EDA)は、2023年第3四半期に記録的な成長をとげた。これは1998年第4四半期以来の成長率だった。CAE、ICフィジカル設計および検証、PCBおよびMCM、そして半導体IPカテゴリのいずれもが前年同期比で2桁のプラス成長を果たしたほか、すべての国・地域にて大幅な成長が報告された」と述べている。