楽天グループで通信インフラ事業を手掛ける楽天シンフォニーは1月12日、自社の無線アクセス装置で構成するオープンな無線アクセスネットワーク(Open RAN)について、Japan OTICから「O-RAN End-to-End Badge認証」を取得したことを発表した。
モバイル事業を展開する楽天モバイルが世界展開している大規模な仮想化Open RANネットワーク構築の知見を生かすことにより、4G/5Gノンスタンドアローン(NSA)方式のマルチベンダー構成において世界初の同認証取得に至ったという。
Open RANとは?
RANはRU(無線ユニット)、DU(分散ユニット)、CU(集約ユニット)などの無線アクセス装置から構成されており、Open RANでは、これらの装置を特定ベンダーに縛られないマルチベンダー構成にすることで、より柔軟な設備調達や価格競争などによるコスト削減が可能になるとしている。
Open RAN仕様策定推進団体のO-RAN ALLIANCEは、Open RANのアーキテクチャおよび装置間のインタフェース(O-RAN仕様)を国際的な規格として定義し、通信事業者やベンダーがO-RAN仕様に準拠したOpen RANを構築することを促進している。
「O-RAN End-to-End Badge認証」の概要
同認証は、O-RAN仕様に基づく相互接続性の試験・認証を行う機関の一つであるJapan OTICが検証したうえで発行するもの。検証では、4G/5G NSAのマルチベンダー構成においてOpen RANを構成する楽天シンフォニーの無線アクセス装置DU・CUが、RUを組み合わせたRANのエンドツーエンドで、O-RAN仕様に準拠した基本機能およびセキュリティ機能を確保しながら相互接続することが確認された。
楽天シンフォニーは同認証の取得により、4G/5G NSAにおいても、O-RAN仕様に準拠した各装置をよりコスト効率よく通信事業者に展開することが可能になるとしている。これにより、グローバル市場における通信事業者のOpen RANネットワーク導入拡大をさらに促進していく考えだ。