業務用菓子卸「ナゴミヤ」、インボイス・電帳法対応の業務負担大幅削減 「マネーフォワード ケッサイ」導入で

ナゴミヤは、全国の和菓子、洋菓子店や食品スーパーなどに業務用和菓子の卸販売を手掛けている。

2009年の創業時は、和菓子メーカーから商品を仕入れて、食品スーパーや和菓子店へ卸売りする問屋として事業を展開していた。その後、中小個人店向けに販路を拡大。現在は、仕入先メーカーは60社を超え、卸先の菓子店などは2164店の会員登録があるという。

会員は、和菓子店、洋菓子店、食品スーパーのほか、喫茶店などの飲食店、旅館、ホテル、土産店もあり業種は多様だ。

約5年前は、中村社長と社員2人の計3人で年商が1.5億円だったが、現在は社員5人で年商4.5億円にまで拡大している。

創業時から和菓子と洋菓子店の取引先が中心だったが、コロナ禍を経てカフェや喫茶店、外食店、キッチンカーなど新しいジャンルの取引先が増えた。会員登録数も増えており、中村社長は「現在は新規獲得の広告を止め、自然流入だけで対応している」と話す。

約960種類を掲載している商品カタログを送付し、カタログを見ながら仕入れ専用のECサイトやメーカーごとに異なるFAXの発注書で受注していた。コロナ禍で、リモート業務を本格的に導入してから、業界経験者の採用が可能になった。中村社長は「リモート業務を導入したことで、小さい子どもを抱える即戦力の経験者を採用できたことは大きい」と言い、バックオフィス業務のデジタル化が成果につながっていると強調している。

新規顧客開拓についても、従来はDMなどのアナログによる新規開拓を行っていたが、2020年1月からは全てオンラインにシフトした。商品カタログを発行していた当時は、終売の商品があると、修正シールを貼る専用のアルバイトを雇い対応していた。コロナ禍もあり、一部でまだFAXで対応していた業務もリモートが主体となったことで全て撤廃。中村社長は「ECサイトにすることでこうした作業コストが大きく削減することができた」としている。

売り上げは順調に増える中で、取扱商材に課題も見えており、顧客のニーズに対応できるような商品ラインアップを目指す。

また、商品登録と更新システム構築を進めており、事業計画として「卸売・仕入の両方をEX化したプラットフォーム事業」を掲げ、商品数1万品目、会員企業1万社を目指す。

<「マネーフォワード ケッサイ」を導入>

2023年10月の「インボイス制度」や2024年1月開始の「電子帳簿保存法」の施行に合わせ、ナゴミヤではより生産性を高める必要が出てきた。

それまで導入していたBtoB請求代行システムでは、軽減税率やインボイス制度、電帳法について対応に不安があったことや、APIで連携し、すでに導入しているBtoB-EC専用カート「Bカート」とのAPI連携が、上手くいかない部分があった。

2023年9月に、BtoB向け請求代行を手掛けるマネーフォワードケッサイの「マネーフォワード ケッサイ」を導入することにした。中村社長は「会計処理を自動連携することで作業効率を高めることができたほか、取引先である会員企業のことも考えたシステムで安心して導入できた」と話す。

その他、銀行への入金確認が少なくなり、未回収リスクが減少したことで経営効率が格段に向上。現在では、経理専門の社員を雇用しなくても運用とコスト削減ができているほか、月数百件の請求業務をほぼ自動化している。さらに新規会員登録企業への与信業務がなくなったことで、取引の意思決定の負担が軽減されたという。

【「マネーフォワード ケッサイ」サービス概要】

取引データを入力するだけで与信審査、請求書の発送・発行、入金管理が自動で行われる。請求に関する一連の業務を代行、バックオフィス業務の負担とコストの削減が可能になり、業務効率が改善される。与信審査結果が最短で数秒で分かるため、サービス提供までのスピードが向上し、売り上げ増加につながる。審査通過後は100%入金が保証されるため、貸し倒れリスクからも解放。期日に確実に入金されるため、資金繰りの見通しもつきやすく、資金の有効活用が可能になる。さらにオプションで売掛金の早期資金化にも対応する。

◾️マネーフォワード ケッサイ

https://mfkessai.co.jp/kessai/top