コロナ禍を経て企業のDXが一気に加速した。人材確保が課題になっている現在、企業には限られた人員でより高い成果を上げることが求められている。さらに、2023年10月の「インボイス制度」に加え、2024年1月に本格運用を始めた「電子帳簿保存法」へも対応しなければならない。マネーフォワードケッサイのケッサイカンパニー・営業本部・パートナーセールス部・岡本創部長と、BtoB-EC専用カート「Bカート」を提供するDaiの鵜飼智史取締役COOに、BtoB-ECの現状と2024年の見通しについて聞いた。
──2023年のBtoB-EC業界を振り返ってどうか?
鵜飼:2023年もBtoB-ECを始める企業が目立った。コロナが5類に移行したタイミングで、世間の意識が大きく変わった。例えば、リモートからリアル出社に戻した企業も多く、デジタル化から少々後退するのではという危惧があった。
しかし、3年間のコロナ禍で企業のデジタル化が大きく進み、既定路線になってきた。以前のBtoB-EC市場はプレーヤーもいなければ、市場もなかったが、コロナ禍を経て市場として定着してきた印象だ。
数年前はBtoB-ECって何だという問い合わせがあったが、近年は他社が導入しているので当社も検討したいという内容に変わってきた。これまでは、問屋が小売店に卸売りする際に「Bカート」を利用してEC化する動きはあったが、ここ3~4年でメーカーからの仕入れについても「Bカート」を導入してEC化する動きが出てきている。
メーカーがEC化している背景には、業務効率の改善に加えて、代理店や問屋を経由せずに、メーカーが直販するケースもある。九州のあるしょうゆ店では、全国への直販に挑戦してみたら全国から問い合わせが増え、粗利もきちんと確保できる体制になっていると聞いた。
大手メーカー企業でも特定の商材において、DtoCの延長でBtoBでも販路を拡大しようという動きがある。今でも卸の存在意義があるものの、「Bカート」を導入することで商取引の条件が整えられるので、小売店向けの取引も一般消費者向けと同様に直接取引の流通形態がスタンダードになってくることが予想される。
──インボイス制度の動きについては?
岡本:対応しなければならないことは分かっていても、要件が細かすぎて網羅することが難しいという声が多い。中小規模の事業者が細かい対応をするのは至難の技だ。インボイス対応のシステムを導入したが、コストと手間が増えたという相談も寄せられている。
「マネーフォワード ケッサイ」を導入することで手間をかけることなく、インボイスや電帳法の対応ができる。
鵜飼:2023年9月7日に開始したマネーフォワードケッサイと共同で提供する「Bカート掛け払い powered by Money Forward Kessai」は、インボイス制度、電子帳簿保存法に対応したインボイス(適格請求書)を発行できるほか、自社の与信審査では対応できなかった新規顧客との取引の可能性が広がる。
──電帳法やインボイス対応するために手間をかける企業が多い。
岡本:しばらくは電帳法に対応できているか、もしくは対応が難しいといった声が出てきそうだ。
2024年は、採用コストが上がり、バックオフィス業務の人員が採用しづらくなることが予想される。共働きが当たり前になり、自宅でもリモートで業務ができる環境を整えて、人材を確保することが求められるだろう。より効率的に働ける環境を整えることが求められる。
鵜飼:「Bカート掛け払い」は、当社の利用者に対しても自信を持って提案できる。2024年は「Bカート」を導入するだけではなく、どう使いこなすのかが問われるフェーズになりそうだ。
◾️マネーフォワード ケッサイ
https://mfkessai.co.jp/kessai/top
◾️「Bカート」
https://bcart.jp/
【「Bカート」サービス概要】
「Bカート」は、BtoBの受発注業務をEC化するクラウドサービス。BtoB特有のさまざまな商習慣に標準対応している。カスタマイズが不要ですぐに利用できる。中小企業から上場企業まで、1500社以上の導入実績がある。現在60万を超える事業者がBカートで発注を行っている。月額9800円から即日スモールスタートすることができる。