2023年12月13日~15日にかけて開催された「SEMICON Japan 2023」にて実施された「SEMIマーケットフォーラム」にて、SEMIが半導体材料市場予測を報告した。
デバイス市場の影響を受ける装置・材料市場
半導体材料は、主に半導体デバイスの製造時に必要となるものであることから、半導体デバイス市場の動向を踏まえる必要がある。世界の著名な市場動向調査会社各社による2023年と2024年の半導体市場成長率を見てみると、2023年は大まかに前年比10%前後のマイナス成長(5100億ドル規模)が、2024年は9%から17%のプラス成長予測で、予測時期が年末に近づくにつれて成長率が上昇しており、年末に向けて市場の回復が進んでいるという認識が強まっているように見受けられる。各社の平均は同12.3%増の5700億ドル規模となっている。
半導体設備投資額と半導体売上高、製造装置売上高、ファブ用材料売上高の成長率の推移を見ると同じような動きをしており、半導体ビジネスはジェットコースターのようだと言われて久しいが、設備投資、装置、材料、デバイスが同じコースターに乗っているようなものだとSEMIは指摘する。それぞれのビジネスの中でも、製造装置と材料は振れ幅が大きいのが特徴である。
材料市場は2024年に過去最高を更新する可能性
また、国・地域別および製造カテゴリ別に見た材料市場の推移(2023年9月時点の2024年の予測含む)を見ると、2023年のウェハファブ向け材料市場は同7.2%減の415億ドルと予想されるが、2024年は同8.4%増の450億ドルと予想され、過去最高を記録した2022年の447億ドルを超す可能性があるという。
ファブ向け半導体材料の最大市場はシリコンウェハで、その売上規模は2022年の155億ドルから2023年は同10.3%減となるが、2024年には同6.5%増の148億ドルまで回復することが予想されている。
ウェハ出荷面積も2023年は減少も、その後は拡大へ
そのシリコンウェハの2017年以降の四半期別出荷面積推移(単位:百万平方インチ)を見ると、2022年末以降、市場低迷の影響を受けて1年にわたって減少傾向が続いてきた。
その結果、2023年のシリコンウェハ出荷面積は、同14%減となる模様である。国・地域別でみると、韓国、中国を含むアジア太平洋ならびに日本が同16%減、台湾が同11%減、米国が同18%減、欧州が同5%減と推測されている。ただし、2024年は半導体市場の回復により増加に転じて同8.5%増となるほか、2025年も同13%増とSEMIでは予測している。
さらに、ウェハの口径別に出荷面積を見ると、300mmウェハは、2023年に同14%減となるが、2024年は同8%増に転じ、2025年も同13%増とさらに伸びることが予想されるほか、200mmウェハも、2023年に同20%減となるが、2024年に同9%増、2025年も同8%増とプラス成長が続くことが期待されるという。