2023年の年頭にあたり、日本電気(NEC) 取締役 代表執行役社長 兼 CEOの森田隆之氏は年頭所感として、以下を発表した。

2024年は生成AIの応用領域を広げていく

2024年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

このたび発生した令和6年能登半島地震によって、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた全ての方々とそのご家族に心よりお見舞いを申し上げます。皆様の安全と健康を切に願い、被災地の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。NECグループとして、可能な限りの支援に取り組んでまいります。

本年、NECグループは創立125周年を迎えます。

歴史を振り返ると、私たちが生み出してきた技術や事業は確かな価値を世界中に提供してきました。創業以来、テクノロジーカンパニーとして社会のさまざまな面で時代の要請に応え続けたことが、現在のNECグループへの信頼の礎となっています。

昨年、私たちの技術の系譜に「生成AI」が加わりました。これはインターネットの登場以来の革新といわれ、世界中で一気に普及し進化を続けています。NECグループでは高い日本語性能を有する独自開発のLLM(大規模言語モデル)「cotomi(コトミ)」を、どこよりも早く市場に提供し、国や自治体、企業、大学、研究機関などのお客様から驚きとともに歓迎されました。常に最先端の独自技術の研究開発に投資をしてきたNECグループだからこそ成しえたことであり、技術力や人材力が改めて認知されています。

2024年も、最先端の技術力による明るいサプライズをお届けしてまいります。まず、開発において各社がしのぎを削る生成AIは、その応用領域を広げていきます。NECグループが持つ業種・業務ノウハウをもとにした特化モデルを中核に、お客様のビジネスに応じて最適な生成AIの利用環境を提供し、個別企業のみならず産業や業種全体へと生成AIの活用を推進します。

私たち自身が社内DXにおいて「クライアントゼロ」として利用してきた中での経験やノウハウ。コンサルティングサービスや生体認証、サイバーセキュリティ、生成AIといった技術・サービス群。グローバルパートナーとのアライアンスを通してのサービス。これらを集約させた共通基盤「NEC Digital Platform」をさらに強化し、お客様や社会のDXを推進します。

日本の安全保障を支える通信インフラ、航空宇宙・防衛の分野では、宇宙での光通信やサイバーセキュリティ、センサーなど日本が国際的に貢献すべき先端技術領域を中心に開発・提供を強化していきます。また、防災・減災対策による被害の低減効果を算定し、その価値を金融商品化する新たなメカニズム「適応ファイナンス」の社会実装をグローバルなパートナーと推進します。

これにより、レジリエンスな社会の実現に向け、いまだ不十分な気候変動の適応策への資金流入を促します。ヘルスケア・ライフサイエンス事業など新規事業を含めた全ての分野において、果敢にリスクをとって新たなチャレンジを重ね、お客様やパートナーからの共感を集め、NECグループがPurpose(存在意義)に掲げる『安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現』を目指します。

このPurposeは、あらゆる事業に携わる一人ひとりの社員の力の総和によってこそ成り立ちます。高い目標を掲げ、有言実行するために努力を惜しまない。昨日より今日、今日より明日と成長し続けていく。自ら変革を進めていく多様な人材が集う組織を目指し、自分らしさを活かしながら能力を最大限に発揮できる「働きがいのある」環境を創ります。

2025中期経営計画も4年目を迎える年となり、社会にお約束した目標の達成に向けた道程が今、はっきりと見えています。ステークホルダーの皆様からお寄せいただいている期待を確信に変えるべく、グループが一丸となりゴールに向けて着実に進んでまいります。

2024年もNECグループにぜひご期待ください。