食品流通のDXを推進するクロスマートは1月9日、クレディセゾンとUPSIDERが共同で運営する決済サービス「支払い.com」と提携し、中小飲食店向け決済サービス「クロスオーダーカード払い supported by 支払い.com」の提供を開始した。卸業者の指定する支払い方法に関わらずクレジットカードでの決済を可能にし、支払いの手間の軽減、資金繰りをサポートする。
クロスマートは、全国で6万店舗以上の飲食店が利用する経営DXプラットフォーム「クロスオーダー」を運営している。このほど提供を開始した「クロスオーダーカード払い supported by 支払い.com」は、Visa推奨の新たな法人決済スキーム「BPSP(Business Payment Solution Provider)」に基づく中小飲食店向け決済サービスとなる。
「クロスオーダーカード払い supported by 支払い.com」を利用することで飲食店は、BtoB取引で発行された銀行振込払いが必要な請求書を手持ちのクレジットカードで支払うことができる。卸売業者側の対応可否に関わらずクレジットカード決済が可能となるため、インション店側は実質的な支払い日をカードの引き落とし日まで先延ばしすることが可能だ。1社あたり最短60秒で決済手続きができるため、仕入れ先が多く振り込みにかかる業務が煩雑になりがちであった経理業務についても大幅な負担削減に繋げることができる。
▲クロスオーダーカード払い supported by 支払い.com の支払いサイクル
支払先に対しては、利用事業者の名前など指定した振り込み依頼人名にて振り込みするため、支払い先に「クロスオーダーカード払い supported by 支払い.com」の利用が知られる心配はなく、すべての仕入れに加え、家賃や社会保険料の支払いなど幅広い用途で利用できる。手持ちのクレジットカードが利用できるため、通常の利用時と同様にカードのポイントが貯まるという特徴も備える。
卸売業者と飲食店の決済方法は銀行振込が主流となっており、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル社が行った食品飲料卸・飲食サービス業における企業間決済調査によると、取引先への支払い・請求に利用している決済方法は、いずれも銀行振込が7割以上(支払い:85.8%、請求:77.3%)となっている。
一方で、クレジットカードの利用意向は61%と半数を上回っており、これについてクロスマートは、、飲食店の経理業務の煩雑化が影響していると考えられるとした。飲食店は通常、平均して10社の卸売業者と取引しており、月末には多くの請求書が一斉に届くため、それぞれの支払い処理が必要となる。支払い期日を過ぎると卸売業者との信頼関係が損なわれ、今後の取引に悪影響を与える可能性がある。
こうした背景を受けクロスマートは、6万店舗以上の飲食店が利用する「クロスオーダー」を運営する自社と、約40年にわたるカードビジネスのノウハウを持ち、約3600万人(連結)の顧客基盤があるクレディセゾン、財務課題を解決する法人カードを提供するUPSIDERが連携し、中小飲食店の支払いの手間削減や資金繰りをサポートする「クロスオーダーカード払い supported by 支払い.com」の提供に至ったとしている。