2024年の年頭にあたり、SCSK 代表取締役 執行役員 社長 當麻隆昭氏は、同グループ役職員向けに、以下のような年頭挨拶を行った。

謹んで新年のご挨拶申し上げます。

新たな気持ちで新年を迎えた矢先に、震度7にもおよぶ「令和六年能登半島地震」は甚大な被害をもたらし、大きな自然災害となりました。お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。

被災地の方々は不安な日々をお過ごしのことと存じます。被災された地域の皆様の安全と一日も早い復旧をお祈りするとともに、SCSKグループとしても最大限お役に立てるよう努めてまいります。

2023 年は、ウクライナ紛争の長期化、西側諸国と中国・ロシアの対立構造の深まりによる世界的な分断、中東地域における新たな武力衝突など、世界情勢は緊迫度を増し、不安定な状況が続く一年でありました。国内においては、5 月に新型コロナウィルス感染症が 5 類へ移行し、外出機会の増加や訪日外国人旅行者の急増、各種イベントの再開などで個人消費を喚起する動きが活発化し、経済活動も正常化してきました。

昨年は当社においても、さまざまな分野で高い評価をいただくことができました。日本経済新聞社と日経リサーチ社が実施する日経スマートワーク経営調査で 5 点満点中星 4.5、日経 SDGs 経営調査でも 5 点満点中星4.5 の評価をいただき、社会的な評価、ブランド力も向上し、着実に企業価値が高まってきました。

また、新たな中期経営計画がスタートし、全社員が同じ方向を向き、愚直に「変革と実行」を実践していくことで、今後その効果が少しずつ業績にも表れてくるのではないかと考えています。

SCSKグループが属する IT の分野においても、生成 AI やロボット、IoT 技術の実用化の拡大、メタバースやデジタルツインなどの仮想空間の社会展開の加速、ブロックチェーン技術の活用など、社会課題の解決に向けてデジタル技術の活用が様々な産業で進み始めています。特に、生成 AI は驚異的なスピードで進化を遂げており、IT サービス事業者の未来を左右する重要な技術要素として、業界に大きな変革をもたらします。

生成 AI の進化は、われわれにとって大いなる脅威であると同時に、事業成長の絶好の機会でもあると言えます。SCSKグループは IT のプロとして、誰よりも早く、率先して生成 AI を使いこなす、徹底的に活用し尽くす必要があります。

SCSKグループ内においても、すでに生成 AI の活用は進み始めており、開発業務のさまざまなフェーズでの活用検証を実施しています。生成 AI を活用して価値創出を体現する、これが勝負の分かれ目です。われわれのサービスやソリューションに AI を組み込み、生産力を高め、提供価値を高め、国内外に打って出ていかなければなりません。

生成 AI の活用に限らず、われわれの生産力・提供価値を高めるにあたり、足りない技術やリソースは積極的にパートナーと連携していきます。それは国内に留まらず、グロバールな視野で進めていくべきであり、SCSKグループが主体性を持ち、自らの意思で進めていくつもりです。

中期経営計画の方針として、「総合的企業価値の飛躍的な向上」を掲げました。総合的企業価値とは、「成長戦略としてのサステナビリティ経営」を実践し、2030 年共創 IT カンパニーの実現を目指すために、SCSKグループが本質的な企業力として目指す価値。「経済価値」「社会価値」「人的資本価値」など、非財務要素を包含した企業価値のことです。

この総合的企業価値の向上により、お客様や開発パートナー、製品ベンダー、そして学生や IT技術者など、「人が集まり、人に選ばれるSCSKグループ」を全員で目指しましょう。それがひいては共創 IT カンパニーの実現につながるものと考えています。

そのためにわれわれは、先ほど述べた生成 AI に限らず、常に新しい技術を積極的に導入し、変化し続けることで、お客様に付加価値を提供し続けなければなりません。そして同時に、技術の進化が社会全体に良い影響を与えるよう努めなければなりません。SCSKグループは変化し続けるのです。そしてその変化は、誰かが実現してくれるものではなく、私たち一人ひとりが自分事として主体的に行動していかなければ実現できないということを認識してください。

2024 年は、SCSKグループが昨年までに取り組んできたさまざまな施策や活動が、一つ二つと形になり、一段上へ成長していき、ステージを高めていける年となるよう、皆で頑張っていきましょう。