2024年の年頭にあたり、KDDI 代表取締役社長 CEO 高橋誠氏は年頭所感として、以下を発表した。

年頭所感

2024年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

今、事業を取り巻く環境は、従来の延長線上にない、不連続で不確実なものです。世界に目を向ければ、米中経済の対立、ウクライナや中東情勢の緊迫などの地政学的変化により、ビジネスの先行きの不透明さに影響を及ぼしています。また、気候変動や脱炭素の動きは世界的な潮流であり、化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトは待ったなしの状況となっており、エネルギー確保とコスト減の両立は、避けては通れない課題です。

一方、日本国内は、人口減少と過疎化が進み、利用者減と働き手不足が顕著になってきており、社会インフラ維持が困難となる状況に陥りつつあります。また、生活者視点では、将来への不安から節約と贅沢のメリハリ消費行動が出てきています。

こうした時代の潮目ともいえる環境変化において政策・民間企業それぞれで、いよいよ本格的に「デジタル化」に取り組み始めたように感じます。それは、データの共用・活用によるDX(Digital Transformation)推進であり、データ×AIや生成AIをビジネスのあらゆるシーンに取り込む、業務効率化などの経済面での貢献のみならず、事業創造やイノベーションといった競争優位性に繋がる領域にも導入する、そのような社会や企業を変革させる動きが見えてきています。

当社としましては、こうした環境変化において事業機会を見出し、中期経営戦略で掲げたサステナビリティ経営に一層磨きをかけ、事業を推進してまいります。

先ず、事業戦略として掲げる「サテライトグロース戦略」についてです。

この事業戦略では、客観的なデータを基点として判断・アクションを起こす「データドリブン経営」の実践と生成AIの積極活用を両輪として、ビジネスの質的向上と量的拡大を目指してまいります。

当社事業のコアとなる「通信事業」では、体感品質を徹底的に磨き、お客さまにとって心地よい通信環境を提供していきます。事業成長に向けた領域である「DX」「金融」「エネルギー」では、パートナー企業との連携や通信事業とのシナジー最大化などに注力し、成長を加速させていきたいと考えています。そして、もう少し先の未来に、お客さまのLife Styleを変革していく領域「LX(Life Transformation)」においても、新しい技術、ビジネスにも積極的に挑戦し、事業を拡大してまいります。

このように事業を成長させていくためにはやはり人財が重要です。中期経営戦略でも「人財ファースト企業」の推進を掲げており、KDDI版ジョブ型人事制度の浸透、DX教育の推進などの定着に向け推進していきます。

加えて、今年は「『プロンプト(指示)』能力を高める!」ということに拘ってみようと思っています。「生成AI」の登場によってあらためて気づかされたことは、『プロンプト能力』の大切さです。特に、組織を率いるリーダー層をはじめ会社全体として、アウトプットの質を高めるために「プロンプト能力」を磨き、提案力を向上し価値を生み出していってほしいと思います。

本年も、引き続き激しい環境変化の中ではありますが、KDDI VISION 2030の「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を見据え、KDDIグループの総力を結集し、成長機会を捉え、飛躍の一年にしてまいります。

さて、おかげさまで、みなさまにご好評をいただき、9年連続でCM好感度No.1を受賞しましたauの「三太郎」シリーズの新年版を、元日からオンエアしています。今回のCMでは生成AIによるイラスト化にチャレンジしてみました。生成AIを活用して、いままでできなかったことにチャレンジしやすくなりました。よって、テーマは「さぁ、何やる?」です。

「まずは踏み出すこと、それが大事だということ。そしてそれは誰でも、できること、ということ。だってみんながみんな英雄なんだから。人生の主役なんだから。だから、理屈とか、可能かどうかとかは考えずに、まず、何をやりたいか具体的に考えてやってみませんか。」というのがコンセプトです。是非ご覧ください。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。