2024年の年頭にあたり、日立製作所 執行役社長 兼 CEOの小島啓二氏は年頭所感として、以下を発表した。
知的作業を強力にサポートする生成AI、今一度「日立創業の精神」に立ち返る
あけましておめでとうございます。皆さん、それぞれ新たな思いを胸に新年を迎えたことと思います。2024年が、皆さんとご家族の健康と幸福に満ちた一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
昨年は、物価変動や金融、為替市場の動向、地政学的なリスクなど、先行きが不透明な状況が続きました。そのような経済環境下においても、日立は市場の変化に対応するとともに、グローバルにリスクをコントロールすることで、力強く成長をすることが出来ました。
株価も1949年の上場来最高値を更新し、東原会長が掲げた「社会イノベーション事業でグローバルリーダーになる」というビジョンの実現に向けた経営改革は、投資家からも高く評価されています。これも皆さんのご尽力の賜物であり、この場を借りて、心より御礼申し上げます。
本年は、彗星のように現れた革新技術である生成AIの利活用がさらに進むでしょう。「Hitachi Social Innovation Forum 2023 JAPAN」でも申し上げましたが、生成AIは、埋もれていた情報に確実に光を当てることで、私たちの知的作業を強力にサポートしてくれます。全社で業務利用を進めて生産性を向上するとともに、ノウハウを蓄積してお客さまへの価値提供へとつなげることをめざしています。生成AIの利活用を促進する組織やプロジェクトも立ち上げましたので、皆さんの創意工夫で業務プロセスの変革に取り組んで頂きたいと思います。
成長の加速に向けて、今一度「日立創業の精神」に立ち返りたいと考えています。今月15日は、創業者小平浪平氏の生誕150周年にあたります。「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念と、創業の精神である「和」「誠」「開拓者精神」には、社会イノベーション事業でサステナブルな成長をめざす日立にとって、欠くことのできない要素が凝縮されています。
多様な価値観を持つ世界中の仲間たちと「和」の精神で力を合わせ、お客さまが抱える課題と「誠」の心で真摯に向き合い、「開拓者精神」でそれを解決して事業へとつなげることで、日立はグローバルに成長していきます。
2024 中期経営計画もいよいよ、最終年度を迎えます。デジタル、グリーン、コネクティブという追い風を捉えた堅調な受注や業績、キャッシュ創出力の向上、One Hitachiで価値提供することでお客様に喜んで頂けた多くの事例など、中計の進捗に大きな手ごたえを感じています。日立創業の精神を胸に、成長を加速して中計を達成しましょう。