2024年の年頭にあたり、日本マイクロソフト 代表取締役 社長の津坂美樹氏は年頭所感として、以下を発表した。
2023年は「AI元年」、Copilot(副操縦士)として企業成長を支援
新年あけましておめでとうございます。
私がマイクロソフトに入社して、ほぼ1年になります。奇しくも、私の入社直後から、生成AI関連の発表が相次ぎ、日本市場を含めた盛り上がりは皆様ご認識の通りです。
昨年は、パンデミック後の世界が新しい正常へと移行する過渡期でした。また、世界各地で政治的緊張が高まり、それが社会や市場に影響を与えています。これらの変動に対応するために、生成 AI が大きな役割を果たしつつあります。
2023年は、AIの力を活用し始めた「AI元年」として記憶されることになるでしょう。この1年は、当社の長年にわたるAIの研究開発や、政府・自治体、お客様との緊密なパートナーシップ、画期的なイノベーションが結実したものになりました。
日本においても、2300社以上のお客様が生成AIプロジェクトに「Azure OpenAI Service 」を活用されているのに加え、生成AI事業を支援するパートナー企業向けプログラムも開始し、すでに100社以上に賛同いただいています。
2023年10月には、神戸市に世界で6番目となる「Microsoft AI Co-Innovation Lab」を開設しました。自社システムにAIを活用する際の検証を、弊社のエンジニアと協業できる施設です。また、「Copilot for Microsoft 365 アーリーアクセスプログラム」にも日本の40社のお客様が参画されています。
東日本リージョンでのAzure OpenAI Service提供、「AIのガバナンス: 日本に関する青写真」をはじめとした、官民で取り組む生成AIに関するガイドラインの議論をはじめ、日本市場における生成AIの一層の利活用に向けた取り組みも継続しています。
そして、こうした積み重ねが、『地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする』というマイクロソフトのビジョンと一体化しつつあります。生成AIを人間の「副操縦士=Copilot」として提供することで、産業界だけでなく、人々の日々の暮らしにも大きな影響を与え始めています。
わたし個人も、Copilotが手放せなくなっています。毎朝のメールの処理、市場の分析や、そのデータを可視化したグラフをお客様に見せたり、会議の議事録を自動で要約して、英語で本社へ共有したりと、忙しいスケジュールの中で、業務を効率化して、「考える時間」を作り出すのに大いに役立っています。
さらに、私は、「日本マイクロソフトは、"Copilot"として、皆様の成長を支援します (Microsoft Japan Will Empowerand Copilot Your Growth)」という新しいスローガンを日本市場へのコミットメントとして掲げ、お客様の成長を支える役割を明確にしました。
生成AIは、日本の企業にとって大きなビジネス成長のチャンスです。労働人口が減少する中、働き方改革は喫緊の課題です。弊社では、大企業だけでなく、中小企業、スタートアップ企業など多様なお客様に対して、生産性の向上や新しいビジネスの創出・成長に直結するAIトランスフォーメーションを支援しています。
さらに、住民サービスの向上につながる政府・自治体における業務効率化も支援しています。こうしたトランスフォーメーションは、パートナー企業の皆さんとの連携なくしては実現できません。進化するテクノロジや海外の先行事例をいち早くお届けし、ビジネス成長と成功を実現する支援を進めます。
さらに、中心的な役割を担うのが開発者の皆さんです。生成AIの普及に伴い、日本のビジネス成長を左右する存在として重要性が増しています。トランスフォーメーション推進のエネルギー源として、私たちのテクノロジの可能性を知っていただけるような機会を拡大するだけでなく、トレーニングプログラムの拡充を図っていきます。
また、個人のお客様向けの情報提供として、AIにより日々の暮らしが便利に、快適になるような発信もパートナー企業様と共に行っていきます。今年は、これらの取り組みをさらに深め、お客様の成長を支え、共に進化していくことをお約束します。
2024年が皆様にとって素晴らしい1年となりますように。