2024年の年頭にあたり、BlackBerry Japan 執行役員社長 Area Vice President 吉本努氏は年頭所感として、以下を発表した。
Always-on型のサイバー脅威の検知でスキルギャップを解消
明けましておめでとうございます。旧年中は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。新年にあたりご挨拶を申し上げます。
2023年は、ランサムウェアが引き続き世界中で猛威を振るいました。日本国内でも経済活動や日常生活を支える重要インフラ分野での事業停止や、リモートワークの一般化によりVPN機器の脆弱性を狙った大規模なサイバー侵害および海外拠点を発端にした国内ネットワークへの侵害が継続発生し、ランサムウェアは企業や社会全体に大きな影響を及ぼしました。
また、大規模言語モデル(LLM)をはじめとする生成AIによるテクノロジーが急拡大した1年でもありました。人々や組織、ビジネスに多大な生産性の向上をもたらした一方で、サイバー犯罪者にとってもまた、より高度で巧妙な攻撃を生み出すことにもつながっています。
このようなサイバー脅威からお客様を保護するため、BlackBerryでは、お客様のセキュリティ強化、運用負荷の軽減およびスキルギャップの解消を支えるための製品やサービスの充実に注力いたしました。8月には業界初の予測型サイバーセキュリティソリューションである「Cylance® AI」の大規模アップデートを発表しました。次世代マシンラーニングモデルにより、脅威予測機能が40%向上したことに加え、DataBricksをベースに構築したデータ管理基盤の強化ではEDRのアラート数を90%軽減しました。
また、年次調査「グローバル脅威インテリジェンスレポート」を四半期ペースに増刊し、サイバー脅威の高度化や日々観測される新種のマルウェアに対応するための情報発信に取り組みました。
さらに12月には、新CEOにジョン・ジアマッテオが就任しました。彼はこれまでBlackBerry社のサイバーセキュリティビジネスユニットの社長を務めてきたほか、セキュリティ業界では30年以上の経験を有しており、BlackBerryの今後のビジネス成長を一層強固なものにすると確信しています。
本年は、BlackBerryのポートフォリオの鍵となるAIソリューションの適用範囲の拡充を図り、マシンラーニングモデルによる予測防御のエリアを広げること、ならびに生成AIを活用したセキュリティオペレーションの効率化に注力してまいります。
MDRサービス「CylanceGUARD」のサポート体制強化や、ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)ソリューション「CylanceGATEWAY」を拡大し、ゼロデイ不正サイト・不正通信からお客様を保護すること、そしてグローバルなサイバーネットワークを通じたインテリジェンス共有により、業界最速でサイバーインシデントの原因究明と業務復旧の支援を実現するインシデントレスポンスサービスの認知向上を進めます。
これらに注力していくことで、BlackBerryの強みの1つである専門家集団だからこそ実現できる高度なセキュリティレベルの実現を支援いたします。2024年もお客様が安心してビジネスを行える環境を提供し、事業継続の支えとなれるよう全社一丸となって邁進してまいります。