2024年の年頭にあたり、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ 日本法人社長の佐賀 文宣氏は年頭所感として、以下を発表した。

新年明けましておめでとうございます。チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ 日本法人社長の佐賀文宣でございます。

昨年は、5月に日本法人の社長に就任して以来、「日本で一番頼られるセキュリティベンダー」となるべく、パートナーの皆様、そしてお客様のことを考え抜いて邁進した一年でした。新型コロナウイルス感染症に関連する規制が緩やかになったことで、多くのお客様やパートナーの皆様と直接お会いし、お話しする機会を設けることができました。

11月にはチェック・ポイント主催イベント「Check Point Advantage」を開催させていただきました。グローバルゲストには、クラウド電子メールセキュリティ分野で急成長を遂げ、2021年新たにチェック・ポイント傘下に加わったAvanan社の元創業者であり、現在チェック・ポイントのメールセキュリティ責任者でもあるギル・フリドリックを迎え、講演を行いました。新しい年に向け、サイバーセキュリティをどのように強化するかについて情報共有、意見交換ができ、大変喜ばしく、また学びの多い機会となりました。皆様と共に、2024年も素晴らしい年にしたい、と期待に胸が膨らみます。

一方で2023年は、日本企業が狙われたセキュリティ・インシデントの事例が多く、サイバーセキュリティをより身近に感じた方も多い一年だったのではないでしょうか。

7月、日本の主要な貿易港が業務停止に追い込まれたインシデントでは、地域ビジネスの活動を実際に停止させるというサイバー攻撃の実害を目の当たりにしました。原因はランサムウェアによる攻撃とされ、復旧まで約3日を要しました。

また、アジア・オセアニア地域や北アメリカにある日系企業の海外子会社が、不正アクセスの被害に遭う事例も多く見られました。海外子会社や委託先などを狙う「サプライチェーン攻撃」事例の数々は、大企業だけでなく、それらの関連企業や中小企業にもサイバーセキュリティが肝要であることを印象付けました。

そして、チェック・ポイントの脅威インテリジェンス部門であるCheck Point Research(CPR)が発表している2024年のサイバーセキュリティ予測では、「AI」が大きなキーワードとなっています。2023年に社会を席巻し新たな産業革命を起こしたともいえる生成AIの悪用、そしてAIが利用するGPUリソースが今後攻撃対象になるという予測や、ディープフェイク技術の向上・武器化といった予測が示されています。

このように激動するサイバー情勢ですが、AIはセキュリティにおいても欠かせません。国際レベルのサイバー犯罪に対抗するためには、攻撃者の一歩先を行くAI活用と対策が重要になってまいります。そして世界中のサイバー攻撃に関するデータの収集・分析を行う最先端AIである当社のThreatCloud AIを活用した「防止優先のセキュリティ」こそが、チェック・ポイントの強みであり、巧妙化し続けるサイバー脅威から、お客様の安全を守ることができる理由だと自負します。

2024年、チェック・ポイントは、包括的なセキュリティアーキテクチャ「Check Point Infinity」の重要性を引き続き提唱します。コロナ禍前後で人々の働き方は大きく変化し、在宅勤務やハイブリッドワークなど多様な働き方が社会に根付きました。その結果、攻撃ベクターと共に防御手法も増え、セキュリティは2倍以上複雑化したと言われます。

多様化する脅威に対応するためには、もはや、これまでのようなポイント製品の導入では立ち行かないことは明らかです。セキュリティの複雑化を防ぐためにも、IT管理者が個別のポイントソリューションを選定し、いわばパッチワークのような形でセキュリティを構築するのではなく、複雑性の低減と隙間のない防御を同時に実現する、統合されたセキュリティの採用が求められる時代に突入しています。

こうした時代を背景に、私共は胸を張って、チェック・ポイントの統合セキュリティアーキテクチャである「Check Point Infinity」の導入を日本企業の皆様に推進していきたいと考えております。

また、自動化されたセキュリティを提供し、クラウド移行を強力に支援するCheck Point CloudGuardも注力していきたい領域です。デジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、クラウドの安全化は欠かすことができません。

そして、日本は仕事上の習慣としてメールを日常的にコミュニケーションツールとして使い、書類などをメールに添付し共有するケースが非常に多いと思われます。多くの攻撃の入り口となるメールの保護は、日本企業にとって急務であると感じます。そのためチェック・ポイントでは、クラウドメールに加え、コラボレーションツールやストレージサービスを包括的に保護するCheck Point Harmony Email & Collaborationにも注力を図ってまいります。

チェック・ポイントでは、セキュリティが包括的(Comprehensive)で、統合されており(Consolidated)、さまざまなベンダーのサービスが協働して動く(Collaborative)ことの重要性を提唱し、これら3つの柱を、最高のセキュリティを実現するための「3Cの原則」と定義しています。2024年もサイバー脅威は複雑化の一途を辿るでしょう。日本企業の皆様に、このチェック・ポイントの3Cの原則を実直に守った最先端の製品をお届けすることで、社会全体の安全に貢献してまいります。

サイバーセキュリティは、ビジネスの継続性と成長を確保するために必要不可欠な存在となっています。2024年も、皆様のビジネスの成長を、最高レベルのセキュリティを通して強力に後押しできるよう、邁進いたします。

本年も、変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。