NTTSportictは12月27日、山口県の「キリンビバレッジ周南総合スポーツセンター 内 周南市野球場(津田恒実メモリアルスタジアム)」に、AIによる完全無人野球中継システム「STADIUM TUBE DoublePlay」を設置したことを発表した。

プロ野球や、高校野球の甲子園大会などは、TV中継やインターネットの動画配信などがあるが、さすがに少年野球ともなると、なかなかそうはいかない。仕事などの都合で直接球場まで応援には行けないが、自分の子どもが活躍している様子を見たいという親御さんも多いことだろう。

こうした時、球場側でインターネット配信で試合中継をしてくれるとありがたいところだが、野球中継を行うには複数のカメラなどの撮影機材が必要だし、野球中継にはノウハウが必要なので専門のクルーも必要になる。それを考えると、なかなか球場側でも試合中継はむずかしいところだ。

そうした中、津田恒実メモリアルスタジアムとして知られる山口県周南市野球場では「STADIUM TUBE DoublePlay」を導入し、同球場で試合が開催される際には自動で試合を撮影。そして今回、NTTSportictが「つだスタチャンネル」の運用を開始したことで、同スタジアムで開催されるすべての試合をPCやスマートフォン、タブレットなどで観戦できるようになった(12月28日現在、無料で視聴可能なコンテンツはない模様)。

STADIUM TUBE DoublePlayは、野球場のキャッチャー側とセンター側に2種類のAIカメラを設置し、両アングルを自動で切り替える仕組みだ。専門的な映像制作ノウハウが無くとも、臨場感のある試合中継を低コストで行えるとする。

  • 周南市野球場「STADIUM TUBE DoublePlay」設置写真

    周南市野球場「STADIUM TUBE DoublePlay」設置写真。(左)センター側。(右)ホーム側。(出所:NTTSportict Webサイト)

それに加え、キリンビバレッジ周南総合スポーツセンターでは持ち運び可能で簡単に設置することができるAIスポーツ映像ソリューション「STADIUM TUBE Air」も3台導入しており、野球以外にもキリンビバレッジ周南総合スポーツセンターにあるさまざまなスポーツ施設にて開催されるサッカーやバレーボール、バスケットボールなどの試合を今後は撮影し、配信する予定としている。

NTTSportictは、「つだスタチャンネル」を通じて、周南緑地公園で行われるスポーツの試合をより多くの周南市民や全国のスポーツファンに届け、これまで以上に地域スポーツを応援してもらえるような環境づくりを目指していくとした。また、今後もAIカメラによるスポーツの自動撮影を通じて「地域スポーツ×ICT」を合言葉に地方創生の推進に取り組んでいくとしている。

  • つだスタチャンネルでの試合中継の様子

    つだスタチャンネルでの試合中継の様子 (出所:NTTSportict Webサイト)