ロビットの「CUTR」がスプレッドの植物カット工場に採用
ロビットは、同社が手掛ける農産物向けAI自動カットロボット「CUTR」が、植物工場などを手掛けるスプレッドに採用されたことを発表した。
今回CUTRの採用を決めたスプレッドは2006年に設立され、2007年から京都府亀岡市も立ち上げた植物工場でレタス生産を開始するなど現在の流れにおける植物工場事業会社としては老舗に分類されるスタートアップ企業。近年は、世界最大級の植物工場「テクノファーム袋井」や植物カット工場「テクノフレッシュ秦野」など、植物工場の展開を加速させており、京都野菜の高い品質管理から生まれた栽培技術と最新のテクノロジーで持続可能なフードインフラの構築を目指している。CUTRが導入されるのは、次世代型加工工場の「テクノフレッシュ秦野」であり、2024年春より稼働予定だとしている。
CUTRの特徴
CUTRは、AI技術を活用した画像処理アルゴリズムとAI技術に最適化されたロビット独自のハードウェア技術で、通常人間が行う食品などの不定形物の切断や不可食部の除去を自動化し、工場全体の自動化に貢献するソリューション。
その特徴としては、処理能力や耐候性など製造現場に求められるニーズを満たしたカット加工専用ハードウェアを加工対象に合わせて自社開発した点が挙げられ、AIが不定形物の位置や姿勢を推定して柔軟にカット方法を決定し、高速で歩留まりの良いカット加工をしてくれるという。
また、検査対象やタクトタイム、前後工程に合わせ、既存設備やロボットアームとも連携が可能なほか、重量に応じた切り分けの調整や不可食部の除去率を変更するなど、各企業の日々の運用に即してカット方法を柔軟に変更できる点も特徴の1つだとする。
実際のアプリケーション事例としては、レタスの芯除去の自動化を人間以上の速度と歩留まりで実現した事例や、不定形で衝撃に弱いまいたけカット工程の自動化技術の開発に成功し、AIアルゴリズムの推論結果通りに装置を制御/補正、狙い通りのカットを実現した事例などがあり、その高精度な技術力によって工場の自動化を支えてくれることが期待されている。
なお、ロビットでは今回の採用を受け、今後もより多くの農作物の自動カットに対応していくことで現場導入を進め、日本全国の食品工場の自動化に貢献していきたいとしている。